肺がんになる原因はタバコだけじゃないって本当?

2019/2/22

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

肺がんの原因がタバコであることは誰もがご存知だと思います。しかし、肺がんの中にはタバコだけが原因ではないものもあります。今回は、肺がんの原因や注意が必要な状態などをご紹介します。

肺がんの原因はやっぱりタバコ?

よく言われているように、タバコは肺がんの原因のひとつです。タバコを吸っていない人と比較して、男性では4.5倍、女性では4.2倍そのリスクが高まるという報告もあります。また、1日に吸う本数が多く、喫煙年数が長い人ほど肺がんになりやすいというデータもあります。

さらに、タバコから出る副流煙により肺がんのリスクが高まることも知られています。夫がタバコを吸う場合、吸っていない妻のリスクは1.3倍になるという調査結果もあります。これは肺がんの一種である肺腺がんに限定すると、2倍以上になるともいわれています。

タバコを吸ってないのに肺がんになることがあるの?

一口に肺がんといっても、タバコの影響がそれほど大きくない種類のがんもあります。たとえば、肺腺がんです。肺腺がんは肺がんの中でも頻度が高く、肺がんの約半数が肺腺がんといわれています。

肺腺がんを発症する原因として、まず女性ホルモンの一種である「エストロゲン」の濃度や量が関係しているといわれています。また、空気中のさまざまな有害物質(細菌やウイルス、車の排気ガスなど)を吸い込み、体外へ排出する際に発生する「活性酸素」も発症に関わっているといわれています。活性酸素が体内に大量に発生すると正常な細胞まで傷つき、がんが発生する確率が高くなるためです。

肺腺がんは工業化の進んだ都市や大都市に多く発症していますが、これは空気中の有害物質を体内に取り込む機会が多いためとされています。

遺伝も肺がんの発症に関係ある?

家族に肺がんを発症している人がいる場合、肺がんになるリスクが2倍程度高くなるといわれています。また発症率は、男性では1.7倍、女性では2.7倍と女性の方が高い傾向にあることが知られています。遺伝的な要因はもちろん、長年にわたって似たような生活環境を共有していることがリスクを高める要因といえるでしょう。

こんな症状が続くときは念のため病院へ

肺がんは初期ではほとんど自覚症状が現れず、進行すると咳や痰、発熱や呼吸困難など風邪に似た症状がみられます。ただし肺がんの場合、風邪のようにすぐには改善がみられないことが特徴のひとつです。また、腫瘍から発生した物質によって「腫瘍随伴症候群」が現れることがあります。

肺がんはすべてのがんの中でもその頻度が高く、食欲不振や意識障害などが症状として挙げられます。一方で、進行の程度を問わず、あまり症状がみられない場合もあります。ただし肺腺がんは肺の奥にできるため、初期では自覚症状に乏しく、進行すると咳、痰などの症状がみられることが特徴です。症状が長引く、複数の症状がみられる、また喫煙歴のある40歳以上の人は症状がみられなくても特に注意が必要です。気になる場合は早めに病院を受診しましょう。

おわりに:肺がんの原因にはタバコの他にもさまざまなものがあります

肺がんにはタバコ以外の様々な要因が関係しています。タバコを吸わないのはもちろん、マスクで有害物質を防ぐなど、できることを行って肺がんを予防しましょう。

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