記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/4/10
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
処方された薬を見て「こんなに種類が多いの?」と不安になったり面倒に感じたりしていませんか? 数種類の薬をそれぞれ決まった用法と用量で飲むことが大変な人もいるでしょう。そんな人におすすめなのが「薬の一包化」です。この記事では、薬の一包化を選ぶことで得られるメリットとデメリットを紹介します。
病気を改善するために服薬治療をする場合がありますが、正しい用法・用量を守って使用することを難しく感じる人は少なくありません。薬の一包化をすると、一度に飲む薬をひとまとめにできます。服用するタイミングが同じ薬を薬剤師がまとめて一袋に入れておくので、一錠ずつ薬を取り出す手間を省けるのです。種類が異なる薬でもまとめることができます。例えば朝・昼・晩に服用する薬を「朝食後の3種類」「昼食後の2種類」「夕食後の3種類」などをそれぞれ一袋ずつに入れておきます。薬の一包化を依頼するために必要なことがいくつかあります。
薬の一包化は、薬を飲む手間が軽くなるなどメリットを持ちますが、デメリットもあります。薬は正しい用法・用量を守ることできちんとした効果を得られます。メリットとデメリットを理解したうえで、一包化するかどうか検討するのがおすすめです。ご自身の病気や処方された薬の種類、ライフスタイルなどに合わせて検討し、迷ったときには医師や薬剤師、家族などに相談してみましょう。
薬は通常「PTP包装シート」というプラスチック製またはアルミ製の袋で包まれています。服薬する際に、一錠ずつPTP包装シートから取り出すように作られています。PTP包装シートによって、薬が湿気や紫外線などで変質したり、破損したりするのを防いでいます。
ただし、乳幼児や高齢者の誤飲のケースが稀に報告されています。また、誤ってPTP包装シートを飲み込んでしまうと消化器官を傷つけるおそれがあります。薬をPTP内装シートから取り出すときに切り離したときに角が非常に鋭利になることがあり、手術を必要とするほど粘膜が傷つく場合もあります。PTP包装シートはX線検査で発見しづらく、重症化する可能性も見過ごせません。
一包化すると、透明の袋の中に薬が裸の状態で入っていますので、PTP包装シート誤飲の可能性がほとんどなくなります。ただしPTP包装シートから取り出して裸の状態になった薬は、湿気を吸ってしまったり日に当たりやすくなりますので、使用期限は短くなります。
薬の一包化が持つメリットは患者さんをサポートしてくれますが、服薬治療で大切なのは薬を飲み忘れないことであるのは変わりありません。ですが、一包化しても薬を飲み忘れてしまうということもあると思います。ここでは、薬の飲み忘れを防ぐためにできる日常生活での工夫を紹介します。
保管場所の工夫を紹介しましたが、薬は直射日光や高温多湿を避けるなど保管方法を指示されていることが多いので気をつけましょう。指示された通りに適切に薬を保管してください。一包化していない方や、一包化したけれど病状の変化などによって用量が変わった方は、ピルケースに小分けにしておくと飲む際の手間が軽くなります。
薬の一包化は、使用する薬の管理や飲み忘れ防止、PTP包装シートの誤飲防止などのメリットを持っています。ただ、一包化加算や調剤時間が増えるなどデメリットもありますので、患者さん自身の体の調子やライフスタイルに合わせて、より負担なく薬を使用できる方法を選ぶことをおすすめします。