記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/3/31
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
錠剤や粉薬、カプセル状のものや粉薬まで、薬にはさまざまな形があります。同じ症状でも、患者さんの年齢や病状に合わせて処方される薬のタイプは変わってきますが、これらにはどのような意味があるのでしょうか。今回は薬にたくさんの形がある理由と、飲みにくいときの適切な対処法を紹介します。
薬には大きく分けて、体の内側から浸透させて効き目を得る「内服剤」と、体の外側から浸透させる「外用剤」の2種類があります。内服剤は飲み薬、外用剤は塗り薬と言い換えたほうがイメージしやすいかもしれません。
内服剤と外用剤にはそれぞれ、以下のような薬の種類があります。
さまざまな薬の種類・形があるのは、薬から得たい効果をできるだけ効果的に、長く得られるよう工夫しているためです。薬の成分によって、効率的に体に吸収される経路や、長く効果を持たせるために必要な条件は異なります。
また、実際に薬を使うときのことを考えると、どんなに効果的な薬であっても、飲み込みにくい大きさだったり、刺激や強かったり、変なにおいがするものだったりしたら、使うたびにストレスを感じたり、使うのがいやになってしまったりする可能性があります。
そこで、薬の形にバリエーションを持たせて、薬から得たい効果を最大限に吸収しつつ、患者さんが使いやすいように考えられてきた使用・服用しやすい状態になるよう考えられた結果、さまざまな形の薬が生み出されたのです。たとえば、内服剤の場合、即効性を重視したいときは液剤や散剤、飲みやすさや薬の成分保護を優先する場合はカプセル剤にするケースが多いです。外用剤も、薬の性質や最適な浸透経路を考えた形状になっています。
錠剤のうち、圧縮して固めただけのものであれば砕いて飲んでも問題ありませんが、糖衣錠など、コーティングされた薬を砕いて飲むのはお勧めできません。錠剤のコーティングは、中の有効成分を湿気や劣化から守ったり、苦みを軽減したり、適切な場所で溶け出るのを守る目的で施されているためです。もし砕いて飲んでしまった結果、十分な薬効が得られなかったり、思わぬ副作用に見舞われる可能性もあります。
また、砕いた錠剤や液剤、散剤、顆粒剤などを飲み物に混ぜて服用したい場合、水やお白湯であれば問題ありませんが、牛乳やグレープフルーツジュースに混ぜると、薬の種類によっては薬の効果を弱めてしまう可能性があるため、お勧めできません。
薬が飲みにくいと感じたときは、自己判断で薬を砕いたり、飲み物に混ぜたりせずに、まずは薬剤師に相談してみましょう。薬のなかには、ほぼ同じ成分で違う形状の薬が用意されていることもあります。薬剤師に相談すれば、飲みやすい形の薬に変えてもらえる可能性もあります。薬に関して困ったこと、悩んでいることがあるなら、ひとりで悩まずに相談してみてください。
錠剤やカプセル剤に代表される内服剤や、塗り薬や貼り薬に代表される外用剤は、それぞれの有効成分や効果的な浸透経路などに合わせた形状になっています。このため、飲みにくいからといって砕いたり、好きな飲み物に混ぜたりすると、適切な薬効を得られない原因となってしまうこともあります。もし、薬の飲みにくいと感じているようでしたら、薬剤師に相談して飲みやすくなる方法をアドバイスしてもらいましょう。