薬の形がたくさんあるのはどうして?飲みにくいときの対処法は?

2019/3/31

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

錠剤や粉薬、カプセル状のものや粉薬まで、薬にはさまざまな形があります。同じ症状でも、患者さんの年齢や病状に合わせて処方される薬のタイプは変わってきますが、これらにはどのような意味があるのでしょうか。今回は薬にたくさんの形がある理由と、飲みにくいときの適切な対処法を紹介します。

薬の形ってどんな種類があるの?

薬には大きく分けて、体の内側から浸透させて効き目を得る「内服剤」と、体の外側から浸透させる「外用剤」の2種類があります。内服剤は飲み薬、外用剤は塗り薬と言い換えたほうがイメージしやすいかもしれません。

内服剤と外用剤にはそれぞれ、以下のような薬の種類があります。

内服剤の薬の種類

カプセル剤
粉状または液状の薬を、ゼラチンなどでできたカプセルに充填した薬。中の薬が適切なところで吸収されるよう、カプセルで守っている。
錠剤
薬効成分と添加物を混ぜ合わせ、圧縮し固めた薬。飲みやすいよう、表面を糖分で覆った糖衣錠や、フィルムで覆ったフィルムコーティング錠、唾液だけで溶かせるOD錠などがある。
散剤、顆粒剤
一般的には粉薬と呼ばれるもの。散剤は粉末状、顆粒剤は粒状にした薬。
内服液剤、シロップ剤
液状タイプで、内服液剤は精製水などに薬効成分を溶かした薬、シロップ剤は内服液剤に甘みを加えて飲みやすくした薬。水に溶かして飲むことを前提としたドライシロップもある。

外用剤の薬の種類

軟膏、クリーム剤、外用液剤
一般的に塗り薬と呼称されるもので、患部の表面に塗って使う薬。薬の粘度は、症状や患部の状態、使い心地などで使い分けられる。
点眼剤
一般的に目薬と呼称される薬。そのまま点眼できるものから、冷蔵庫での保存が必要なもの、点眼前に振る必要があるものなど、さまざまな種類がある。
点鼻剤
鼻の中に先端を入れて、中の薬を鼻の粘膜に噴霧して使う薬。鼻を清潔にしてから使用するもので、鼻の炎症などによく使用される。
貼付剤
湿布などに代表される、皮膚に貼って薬効成分を浸透させる薬。貼った部分にだけ薬効が出るものから、薬効が血流を巡って効果を発揮するものまで、さまざまなタイプがある。
坐剤
体内に入れて使う薬だが、外用剤に分類される。肛門から挿入し、肛門粘膜から薬効を浸透させていく薬。先端がとがっていて、指で肛門に挿入しやすいようになっている。熱に弱い。
吸入剤
体内に入れて使用する薬だが、外用剤に分類される。先端部を口の中に入れて噴霧し、口内の粘膜から浸透させる薬。喘息やアレルギー症状の緩和のために使用されることが多い。
舌下剤
形状的には錠剤だが、体の外側である粘膜から吸収させるため外用剤に分類される。舌の下に入れて溶かすことで、口内の粘膜から薬効を浸透させる。

薬の種類がたくさんあるのはどうして?

さまざまな薬の種類・形があるのは、薬から得たい効果をできるだけ効果的に、長く得られるよう工夫しているためです。薬の成分によって、効率的に体に吸収される経路や、長く効果を持たせるために必要な条件は異なります。

また、実際に薬を使うときのことを考えると、どんなに効果的な薬であっても、飲み込みにくい大きさだったり、刺激や強かったり、変なにおいがするものだったりしたら、使うたびにストレスを感じたり、使うのがいやになってしまったりする可能性があります。

そこで、薬の形にバリエーションを持たせて、薬から得たい効果を最大限に吸収しつつ、患者さんが使いやすいように考えられてきた使用・服用しやすい状態になるよう考えられた結果、さまざまな形の薬が生み出されたのです。たとえば、内服剤の場合、即効性を重視したいときは液剤や散剤、飲みやすさや薬の成分保護を優先する場合はカプセル剤にするケースが多いです。外用剤も、薬の性質や最適な浸透経路を考えた形状になっています。

飲みにくい薬を砕いたり、ジュースなどに混ぜて飲んでもいい?

錠剤のうち、圧縮して固めただけのものであれば砕いて飲んでも問題ありませんが、糖衣錠など、コーティングされた薬を砕いて飲むのはお勧めできません。錠剤のコーティングは、中の有効成分を湿気や劣化から守ったり、苦みを軽減したり、適切な場所で溶け出るのを守る目的で施されているためです。もし砕いて飲んでしまった結果、十分な薬効が得られなかったり、思わぬ副作用に見舞われる可能性もあります。

また、砕いた錠剤や液剤、散剤、顆粒剤などを飲み物に混ぜて服用したい場合、水やお白湯であれば問題ありませんが、牛乳やグレープフルーツジュースに混ぜると、薬の種類によっては薬の効果を弱めてしまう可能性があるため、お勧めできません。

薬剤師に相談したら薬を変えてもらえることも!

薬が飲みにくいと感じたときは、自己判断で薬を砕いたり、飲み物に混ぜたりせずに、まずは薬剤師に相談してみましょう。薬のなかには、ほぼ同じ成分で違う形状の薬が用意されていることもあります。薬剤師に相談すれば、飲みやすい形の薬に変えてもらえる可能性もあります。薬に関して困ったこと、悩んでいることがあるなら、ひとりで悩まずに相談してみてください。

おわりに:薬の形は有効成分にあわせて整えられている!飲みにくいときは薬剤師に相談を

錠剤やカプセル剤に代表される内服剤や、塗り薬や貼り薬に代表される外用剤は、それぞれの有効成分や効果的な浸透経路などに合わせた形状になっています。このため、飲みにくいからといって砕いたり、好きな飲み物に混ぜたりすると、適切な薬効を得られない原因となってしまうこともあります。もし、薬の飲みにくいと感じているようでしたら、薬剤師に相談して飲みやすくなる方法をアドバイスしてもらいましょう。

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