記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/3/17
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「骨髄バンクに登録したいけど、流れが分からないし……やっぱり痛い思いをするのかな?」というように、骨髄バンクに興味があっても、一歩が踏み出せない人は多いようです。
今回は骨髄バンクの登録後の流れ、骨髄採取の仕方などをご紹介します。採取の仕方は骨髄採取と末梢血幹細胞採取がありますので、2種類の違いにも触れております。
骨髄バンクには献血ルーム、保健所、献血バスなどで申し込みができます。申し込みは無料ですが、正式なドナーになるためには、検査などを通過する必要があります。
登録後、ドナーの通知が来たらドナー候補者に選ばれたことになります。改めて意志確認書、コーディネート開始依頼書、アンケートなどが郵送されますので、記入して提出します。
調整医師のいる病院で、確認検査と説明を受けます。
ドナーに正式に決定されたかどうかの通知が来ます。
調整医師のいる病院で最終同意を実施します。家族の同意のもと、骨髄提供の同意書に署名捺印して正式にドナーとなります。
病院で採取を行いますが、その前に術前健康診断を受けます。
ドナーや患者の体重によって骨髄採取必要量を決定します。決定量に合わせて、血液を1回に200ml~400ml採取します。場合によってはドナーには増血剤が処方されます。
そして入院して骨髄採取を行います。
このような流れで骨髄採取を行います。採取までに慎重に検査などが行われるのが一般的です。
採取の仕方は2通りあります。
どちらかというと骨髄採取の方が話を聞くと思います。骨髄採取の流れは以下のようなものです。
入院費や交通費は無料となります。ただし、休業補償はありません。
当日は絶食となるため、前日は絶食に備えた飲食をします。
絶食して点滴をし、場合によっては浣腸をする場合もあります。そして注射で前投薬をします。
背中側の腰から採取しますので、うつぶせになって全身麻酔を受けます。
骨髄を専用の針で吸引して採取します。採取が終わったら麻酔が切れるまで安静にします。
一晩病室で過ごし、翌朝退院します。
「骨髄採取が失敗して半身不随になったという話を聞いたことがあるから怖い」という方もいます。しかし、骨髄採取での死亡例がすべて海外で起きたものです。日本の骨髄バンクでは、2万例以上の採取が実施されていますが、命に関わる後遺症や死亡事故は起こっていません。
「採取は痛いんじゃないの?」と不安に思う方が多いようです。この章では骨髄採取・末梢血幹細胞採取をした際の痛みについてまとめました。
骨髄採取・末梢血幹細胞採取、どちらも痛みを強く感じる人もいますが、鎮痛剤の処方などで対応してもらえます。
後遺症などを恐れる人が多いですが、日本では骨髄移植にちなんだトラブルは起きていません。また、実際に移植するまでにはたくさんの検査をし、十分な説明と同意を得たうえで行われます。採取にも非常に慎重なので安心です。ほんのわずかでも「ドナーになろうかな」という気持ちがある方は、気軽に献血ルームなどで相談してみてください。