記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2023/3/1
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
暖かくなってくると、目やのどのかゆみや、くしゃみなど花粉症による症状に、1日中悩まされるという人は多いですよね。つらい症状を和らげるために市販薬を…と思っても、たくさん種類があって何を選べばいいか迷ってしまうこともあるのではないでしょうか。
今回は、市販薬で花粉症を緩和したい場合に選ぶべき薬の成分・特徴を、花粉症を発症するメカニズムとあわせてご紹介していきます。
花粉症は、抗原と呼ばれる特定の物質に対して異常な免疫反応を起こしてしまうアレルギー疾患の一種です。スギ花粉やヒノキ花粉など、その人にとって抗原となる花粉が鼻やのどの粘膜に付着すると、表面の肥満細胞にある抗体という物質と反応し、花粉症を発症させます。
花粉に反応した抗体はヒスタミンという物質を放出し、血管の透過性を上げて鼻水を出したり、末端神経を刺激してくしゃみを出すなど、花粉症特有の症状を引き起こします。
なぜ特定の花粉に対して抗原が反応し、ヒスタミンが放出されるのかは、まだはっきりとはわかっていません。ただ、一般的には、生活習慣など複数の要因が影響して反応に至る、と理解されています。
花粉症の症状を抑える作用があり、一般的な花粉症薬に含まれている代表的な有効成分は、以下の3つです。
症状を誘発するヒスタミンの放出を抑制する作用がある成分です。効果が出るまで2~4時間程度かかりますが、比較的副作用が少なく、安全性も高いとされています。
ヒスタミンの働きを抑制することで、くしゃみや鼻水の症状を緩和する成分です。即効性に優れたものが多く、既に発症したアレルギー症状に有効的な反面、副作用として眠気を伴いやすいとされています。
ヒスタミンの放出と作用、その両方を抑制して花粉症を緩和する成分です。第1世代の抗ヒスタミン薬と抗アレルギー薬を足したような効き目があり、眠気や口の渇きなどの副作用が現れにくいとされています。もともとは病院処方のみでしたが、近年、市販薬としても購入できるようになりました。
まずは現時点での症状の有無から、以下の基準で抗アレルギー薬か、抗ヒスタミン薬のどちらかを選択します。
なお抗ヒスタミン薬を選ぶ場合、第1・第2世代のどちらを選ぶかにより、それぞれ効き方の特徴や、想定される副作用が異なります。抗ヒスタミン薬は、以下を参考に第1・第2世代の特徴をしっかり理解し、あなたの予定や症状の出方にあわせて、適切だと感じる方を選びましょう。
「即効性に優れ比較的効き目が強い反面、眠気などの副作用が現れやすい」点が抗ヒスタミン薬第1世代の大きな特徴です。このため、薬を飲むにあたり以下の条件を重視したい人に向いているといえます。
「第1世代に比べ即効性はないものの、緩やかな効き目で副作用が現れにくい」点が、抗ヒスタミン薬第2世代の大きな特徴です。このため、以下のような条件を重視したい人には、適した花粉症薬であるといえます。
なお、どの成分が自分や家族に適しているかわからず、花粉症の薬選びに悩んだときは、ドラッグストアや薬局にいる薬剤師さんに相談してください。
アレルギー症状の一種である花粉症は、症状を誘発するヒスタミンの放出、または働きを抑えることで症状を緩和できます。このため、市販の花粉症薬もヒスタミンの放出を抑える抗アレルギー薬、ヒスタミンの働きを抑える抗ヒスタミン薬第1世代、2つの特徴を併せ持つような抗ヒスタミン薬第2世代の3種類があります。それぞれに効き方・副作用の現れ方には特徴がありますので、薬剤師さんに相談して自分に合うものを選びましょう。