冠攣縮性狭心症は治療すれば完治する?再発予防でできることは?

2019/5/28

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

冠攣縮性狭心症は、夜中や朝方の安静時に起こりやすい病気で、発症すると胸の圧迫感や痛みといった症状がみられます。一瞬で起こる病気のため、定期検診などの心電図で異常がなかったとしても発症する可能性がある怖い病気です。
もし冠攣縮性狭心症を発症したら、どのような治療を受けるのでしょうか。また、再発を予防するためにどんなことをすればいいのでしょうか。この記事で解説していきます。

冠攣縮性狭心症になるとどんな症状が出てくる?

心臓は心筋と呼ばれる筋肉で動いており、全身に血液を送り出すポンプの役割をしています。心臓の筋肉が絶え間なくしっかりと動くためには、十分な酸素と栄養が必要です。そのため、心臓は冠動脈と呼ばれる3本の血管が冠(かんむり)のようにかぶさっています。

狭心症は、冠動脈が狭くなったり、けいれんを起こして縮んだりして血液が通りにくくなった結果、心臓に十分な血液が送られなくなることで起こります。冠動脈のけいれんのことを「冠攣縮(かんれんしゅく)」といい、冠攣縮によっておこる狭心症が冠攣縮性狭心症です。

冠攣縮性狭心症は、胸のあたりが抑えられるような圧迫感や、胸の痛みが主な症状です。夜間や朝方など、安静にしているときに発作が起こることが多いとされます。硝酸薬(ニトログリセリン)を飲むことで、発作が速やかに治まることも特徴です。

冠攣縮性狭心症を治すにはどうすればいいの?

冠攣縮は瞬間的に起こるため、健康診断などの短時間の心電図検査にもほとんどあらわれません。そのため、冠攣縮が疑われるときには次のような検査を行って詳しく調べていきます。

ホルター心電図検査
小型の測定装置をつけて24時間心電図を測定する検査です。外来でも測定することができます。病院で装着後に帰宅し、検査中は行動の記録ノートをつけながら、基本的には普段と同じような生活を送って測定します。
心筋シンチグラフィー検査
心臓に集まった血液を画像で映し出す検査です。放射性物質を含む検査薬を注射して、ガンマカメラという特殊な撮影装置で撮影をします。検査薬は、短時間で体から消えてしまうものを使います。運動の負荷をかけたり薬剤を投与したりしたときと、安静時の様子を比較して、心臓の状態を把握します。
心臓カテーテル検査
カテーテルと呼ばれる細長い管を足のつけ根などにある太い動脈から挿入して、冠動脈の入り口までたどり着かせます。その後、冠動脈に造影剤を注入してエックス線撮影をすることで、血液の流れを画像で調べます。

冠攣縮性狭心症であると判明した場合には、ニトログリセリンや硝酸イソソルビドなどの硝酸薬、カルシウム拮抗薬などを用いて、冠攣縮を予防する治療が中心となります。

また、冠攣縮性狭心症を発症するリスクとして、喫煙や血圧、肥満、脂質異常症といった生活習慣が挙げられます。したがって、薬での治療と並行して、生活習慣の改善を行うことも大切です。

治療が終わったら、冠攣縮性狭心症は完治する?

冠攣縮性狭心症は、適切な治療で元の生活ができるくらいに回復しても一定の割合で再発します。最悪の場合、突然命を落としてしまうこともあるので油断は禁物です。

再発を防ぐためには、冠攣縮になりやすい体質があることを自覚して、日々を過ごすことが大切です。また、肥満は冠攣縮性狭心症の最大の原因になりますし、高血圧や脂質異常症、動脈硬化、糖尿病なども、冠攣縮性狭心症のリスクとなります。冠攣縮を予防するためには、食事療法や運動療法を同時に行うことが大切です。

ただし、息があがるような過度な運動は、かえって突然死を招く恐れもあります。また、体を動かす仕事や長時間労働、慢性的なストレスも負荷が高くなります。医師や職場と相談のうえ、体の負担を少なく過ごすことが望ましいでしょう。

おわりに:再発予防のためにも食事や運動などの生活習慣を見直そう

冠攣縮性狭心症は、心臓をおおう冠動脈が急にけいれんを起こして細くなり、心臓への血流が悪くなることで起こります。けいれんは一瞬のため、一般的な心電図検査だけではなく、循環器科で専門的な検査を受ける必要があります。冠攣縮性狭心症は治療によって症状が回復した後も、再発のリスクを伴います。医師の指示のもとで、食事療法や運動療法、仕事の調整などを行って予防につとめることが大切です。

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