記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/3/12
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
花粉症の症状といえば、突然水っぽい鼻水が止まらなくなったり、鼻が詰まって苦しくなったり、目がかゆくなったりする…といったことが思い浮かぶと思います。でも、花粉症の症状はそれだけではありません。花粉症になると鼻や目のほかにどんな症状が出てくるのか、この記事で解説したいと思います。
花粉症になると悩まされる鼻の症状として、鼻水、くしゃみ、鼻づまりがあります。
花粉症の鼻水は、「水のようなさらさらとした」と言われることが多いです。これは、異物である花粉を洗い流すために出てきます。また、花粉症になるとくしゃみが1日10~20回以上出ます。これはくしゃみによって花粉を体外に追い出そうと体が働くためです。そして鼻づまりは、鼻の粘膜が腫れて鼻の通りが悪くなることによって起こります。
鼻づまりが原因で、鼻以外にもさまざまな症状を引き起こすこともあります。たとえば、鼻が詰まって口から呼吸しなければならないため、口の渇きや乾燥による咳が出たり、においや味がわからなくなったり、息苦しさから夜眠れなくなったりします。特に、就寝時は昼間よりも鼻がつまりやすくなるため、寝苦しく感じてしまうことも多くあります。
花粉症になると、鼻の症状以外にもさまざまな症状が出現します。まず、鼻の症状と同様に起こりやすいのが目の症状で、代表的なものとして目の痒み、充血、流涙があります。
また、花粉によって皮膚がかさかさとして赤みを帯びてしまう花粉症皮膚炎、花粉による肌のかゆみが出たりします。また、食欲減退、悪心などの胃腸症状、頭重感、全身倦怠感、微熱などの全身症状が出現する場合もあります。このように、一見花粉症と関係なさそうな症状であっても、花粉症をきっかけに発症している場合があるのです。
花粉症と思われる症状が出てきたとき、まずできるのがマスクの着用です。マスクを着用して保温すると、症状を軽減させることができます。また、マスクは花粉が体内に侵入するのを防ぐ効果もあります。
このほか、日常生活を根本から改善することも花粉症の症状改善につながります。特に体の疲れは自律神経を過敏にしてアレルギー反応を起こしやすくするので、十分睡眠をとってストレスをためないようにしましょう。また、食べ物なども花粉症に密接に関係します。肉中心の高たんぱく質な食事はアレルギー反応を悪化させるといわれていますし、香辛料などは鼻の粘膜を刺激して、花粉症の症状を悪化させます。逆に乳製品は花粉症の症状を緩和させるといわれています。
そして、目のかゆみが強いときは清潔なタオルで冷たいおしぼりをつくり、まぶたの上に置くと症状が緩和されるのでおすすめです。
鼻水やくしゃみ、喉の違和感などの症状がみられると、発症時期が重なるインフルエンザの可能性を考えてしまう人もいるかもしれません。
一般的に、のどの強い痛みや高熱などがみられず、同じ症状が3日以上続くと花粉症である可能性が高いと考えられています。言い換えると、高熱が続いたり、全身の痛みがひどいときはインフルエンザの可能性が高い、ということです。特に2月頃はインフルエンザと花粉症を同時に発症する人もいるので、発熱や全身の痛みといった症状がみられたら病院でインフルエンザの検査を受けることをおすすめします。
花粉症は鼻水や鼻づまり、目のかゆみなど、主に鼻と目に症状が集中しますが、ほかにも微熱やのどの痛みなどもみられます。特に2月はインフルエンザが流行することもあるので、人によっては花粉症とインフルエンザを同時に発症する方もいます。そのため、高熱が続いたり、全身がひどく痛む場合にはインフルエンザの発症も念頭に置き、医療機関でインフルエンザの検査を受けましょう。