白血病の基礎知識 ― 症状や治療法を解説!

2019/3/8

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

「血液のがん」と言われる白血病、なんとなく1種類しかないような印象を受けますが、実は急性・慢性、骨髄性・リンパ性と細かく分類されています。白血病を発症すると、たいていは抗がん剤による治療や、健康な造血幹細胞を移植する治療などが行われます。この記事では、白血病の症状や検査法、治療法を紹介していきます。

白血病ってどんな病気?

白血病とは血液のがんの一種で、骨髄で作られている芽球ががん化した病気です。

芽球とは、血液細胞の元となるもので、この芽球が赤血球、白血球、血小板へと分化していきます。この分化するはずの芽球ががん化して異常に増えてしまったため、骨髄が正常な血液細胞をほとんど作ることができなくなり、その結果、全身の正常な血液細胞が減って白血病細胞が増え、さまざまな症状がみられるようになります。

また、白血病には急性と慢性があります。

急性には急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病/リンパ芽球性リンパ腫、急性前骨髄球性白血病と呼ばれる種類の白血病が含まれ、がん化した細胞が急速に増殖する白血病のことを言います。一方、慢性のものは慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫などがあり、がん化した細胞がゆっくりと増殖する白血病のことをいいます。

白血病になると出てくる症状は?

白血病の症状は、どの白血病に罹患したかによっても異なるものの、ある程度は共通しています。主に造血機能の低下によって起こる症状と、白血病細胞が臓器に浸潤することで起こる症状の2つに分類されます。

造血機能が障害されることによって起こる症状

ひとつは赤血球が減少することで起こる症状です。赤血球が減少すると酸素の運搬能力が低下し、体の細胞に酸素が行き届かなくなります。このため、全身がいわゆる貧血の状態になってしまい、動悸やめまい、だるさや倦怠感など貧血の症状が見られるようになります。

また、白血球が減少すると免疫機能が低下して感染症にかかりやすくなります。そのため、カビや細菌、ウイルスなど、健康なときなら寄せ付けないような弱い菌で感染症にかかったり、感染症が治りにくかったり、発熱が続いたりします。中には肺炎になってしまう方もいます。

そして、血小板が減少すると止血機能が低下して出血が止まらなくなります。このため、皮下出血ができやすくなったり、赤い点状の出血斑が見られたりします。鼻血が出やすくなったり、歯磨きをしただけで歯茎から出血するようになったり、一度出血するとなかなか血が止まらなくなったりすることもあります。

白血病細胞が臓器に浸潤することによって起こる症状

リンパ節や肝臓・脾臓に白血病細胞がたまることによって、肝臓や脾臓が腫れて腹部がパンパンに張ったり、腫瘤ができて痛くなったりします。足や首の付け根にしこりができることもあります。白血病細胞が骨髄の中で増えることにより、骨や関節、腰が痛むこともあります。中枢神経や髄膜に浸潤すると、頭痛や手足のまひがみられることもあります。

白血病かどうかを調べる方法は?

白血病であるかどうかを調べる方法として、血液検査及び骨髄検査があります。

血液検査は、血液中の赤血球、白血球、血小板の数や白血球の分類、遺伝子や染色体を調べ、白血病であるかどうかを判断します。

骨髄検査では腸骨(骨盤の骨)もしくは胸の骨に針を刺して骨髄液を吸引して調べます。骨髄液が吸引できなかった場合には骨髄生検を行うこともあります。

白血病になったらどうやって治療するの?

白血病は抗がん剤を用いた治療が基本となります。もうひとつ治療の選択肢として挙がってくるのが造血幹細胞移植です。

造血幹細胞移植とは、造血幹細胞を多く含む細胞を移植する治療法で、大量の化学療法や放射線療法などを行ったあと、正常な造血機能や免疫系を回復させるために行います。この治療は、質の高いQOL(生活の質)を得られると考えられる場合や、予後の改善が期待できるときなどに行われます。

おわりに:白血病にはさまざまなタイプがあるが、貧血やしこりといった症状がみられます

白血病は大きくわけると急性期と慢性期に分類されますが、さらにさまざまなタイプの白血病に分類することができます。どの白血病を発症したかによって症状は異なりますが、貧血や出血が止まらなくなること、手や足のしこりといった症状が共通してみられます。

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