血液の成分や働きについて学んでみよう!

2019/3/26

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

血液は主に血漿と血球で構成されており、酸素など細胞に運ぶなど、重要な役割を果たしています。今回は血液の成分や働きについて解説します。

血液はどこでつくられるの?

まず、骨髄で「造血幹細胞」という血球のもととなる細胞がつくられ、造血幹細胞が赤血球などに変化します。骨髄では毎日、赤血球が2,000億個ほど、白血球は1,000億個ほど、血小板は1億個ほどつくられていると言われています。

骨髄とは骨の中の組織です。全身の骨髄の総量は大人で2.6kgほどあると言われており、臓器の中でも最大です。

乳児の場合、全身の骨の中にある骨髄で血球成分がつくられますが、大人になるにつれて脊椎、胸骨、骨盤など、限られた場所でしかつくられなくなります。

ちなみに骨髄以外でつくられているのは血漿蛋白質やリンパ球のT細胞などで、血漿蛋白質は、ほとんどが肝臓でつくられています。また、リンパ球のT細胞以外は胸腺でつくられています。

血液ってどんな成分で成り立っているの?

血液は「血球」と「血漿(けっしょう)」からできています。血管を巡って体内を循環している時は血漿が55%、血球が45%ぐらいの割合です。

血球は赤血球、白血球、血小板から成り立っています。

赤血球
骨髄でつくられ、脾臓で壊されるまでの120日間ほどが赤血球の寿命です。数としては、成人では血液1μLの中に、男性は500万個ほど、女性で450万個ほど、幼児は690万個ほどあります。
白血球
成人の場合、血液1μLの中に平均7,500個ほどあります。顆粒球、リンパ球、単球などから構成されています。
血小板
血液1μLの中に14~36万個ほどあります。大きさは直径が2~3μmほどで、円盤の形をしています。

また、血漿は血液から血球を取り除いた液体成分のことです。91%は水分で、固形成分(グロブリン、アルブミン、血液凝固因子などのタンパク質)は9%です。糖質、無機塩類、脂質なども含みます。

血液ってどんな働きをしているの?

わたしたちの体の中で、血液は以下のような役割を担っています。

酸素を運び、二酸化炭素の排出を手伝う

赤血球の中の「ヘモグロビン」が肺で酸素を取り込み、体全体に酸素を運びます。また、血漿が主となり組織呼吸で発生した炭酸ガスを肺に送っています。

栄養を体全体に運ぶ

消化器官で吸収された栄養素は、血液に入るくらい細かく分解されます。主に血漿がその栄養素を細胞や組織に運んでいます。

病原菌の退治

白血球の中の「顆粒球(好中球、好酸球、好塩基球の総称)」は免疫に関わっており、病原菌などの異物が血液内に侵入すると、それらを飲み込んで消化や殺菌などを行います。そのため、病原菌などを退治する白血球が足りないと、病原菌が増殖して病気になります。

また、「リンパ球」は抗体の生産に関わり、体の免疫機能に役立っています。そして、「単球」はマクロファージに変化し、異物や老廃物を処理します。アレルギー反応や毒素の中和にも関わっていると言われています。

ホルモンを運ぶ

副腎や甲状腺などの内分泌腺で生産されたホルモンは、血液の中に放出されて各器官へと運ばれます。

いらなくなった物を運ぶ

細胞活動で産出された老廃物、そして代謝で生まれた有害物質などは、血液が腎臓や肝臓などへ運びます。

体温を調節する

肝臓などが活動する時、熱が生まれます。血液は器官を通るときにその熱を吸収し、皮膚を流れる際に熱を放出します。そのおかげで肝臓などがオーバーヒートを起こさずに済んでおり、体温も一定に保たれています。

また、人間の体は血圧を上下させることで体温の調節をしていますが、血液は血圧の保持にも役立っています。

ケガをしたときに血液が固まるのはどうして?

血液がケガなどで大量に出血すると、生命の維持が危ぶまれます。大量の出血を防ぐため、血を止める機構が人間の体にはあります。

この機構は大きく分けると2種類です。ひとつは血小板が主体となって止血するもの、もうひとつは血漿のなかにある複数の「血液凝固因子」が主体となって止血するものです。

出血をするほどケガをすると、血管が傷ついて血管内皮細胞がはがれます。すると、血小板が血管内皮細胞の下にある「コラーゲン線維」と結合します。

結合すると、血小板が活性化され、血小板の形が円盤状から足が出たような形に変化し、細胞質から多くの血小板を集めるための物質を放出します。結果的に集まった血小板同士が結合し、傷口をふさぎます。

また、血液凝固因子にはカルシウムやタンパク質があり、怪我をするとこれらの血液凝固因子が活性化し、血液はゲル化(粘土が増加し、膠化[こうか]した状態)します。このゲル化した血液は網状になっており、血小板や細胞をその網でからめ、傷口を塞ぎます。

おわりに:血液は体の中で重要な役割を担っています

血液は体の中で、酸素や栄養素を運んだり、老廃物を回収したりといった働きをしています。特に、呼吸器の問題やヘモグロビン不足による貧血などが起きると、全身への酸素供給が満足にできなくなります。そうすると、低酸素状態となり、臓器異常などが起きるので注意が必要です。

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