記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/3/20
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
白血病(急性白血病)は、血液の赤血球や白血球、血小板をつくるときに関与する「造血幹細胞」が何らかの原因でがん化することで発症します。「血液のがん」とも呼ばれ、急性白血病でも、リンパ性や骨髄性などの種類があり、それぞれ発症する原因は異なります。
この記事では、白血病初期症状や症状の経過、完治と寛解の違い、再発のリスクなどを解説しながら、早期治療のために必要なことを紹介していきます。
白血病(急性白血病)は病状の進行が速いため、普段通りの生活を送っているなか急に症状が現れることが多いです。
早い段階で病院を受診し検査を受けることが大切ですが、そのためにはサインを見落とさないためにも初期症状をきちんと理解しておく必要があるでしょう。
症状には、急性骨髄性白血病・急性リンパ性白血病ともに以下が挙げられます。血球細胞は大まかに赤血球、血小板、白血球に分類されますが、それぞれが減少することによって下記の症状が出現します。
正常な赤血球をつくることができないことで、血球の減少に伴う貧血が起こります。貧血により、息切れや動悸、倦怠感、顔色不良などの症状が現れるため風邪と勘違いしてしまう人もいます。症状が長引く場合には、医療機関を受診し検査を受けましょう。
正常な血小板をつくれないため、血小板が減少して出血しやすくなります。その影響で転倒したり物にぶつかったときにあざができやすくなったり、皮膚に小さな点状の出血斑が現れることがあります。
また、急に鼻血が出たり、歯ぐきから出血するなどの症状が現れることもあります。
白血球が減少して発熱や感染症を引き起こしやすくなります。風邪をひきやすくなるだけでなく、発熱が続いているなどの症状が現れる方の中には、診察や検査で白血病(急性白血病)だったと分かることもあります。
白血病(急性白血病)の初期症状は、赤血球・白血球・血小板などの正常な血液細胞がつくれないことで起こります。
病状の進行が速いため、発症初期でも貧血や出血、感染症を引き起こしやすくなります。
上記のような変化は白血病だけが原因で起こるわけではありませんが、気づいたときは念のため早めに医師に相談するようにしましょう。
白血病(急性白血病)は進行が速いため、急に貧血や鼻血やあざ、発熱などの症状が出現する場合が多く、これらの症状は血液を作るための造血機能の異常によって起こります。
進行に伴って、白血病細胞が周囲の臓器にじわじわと広がっていく(浸潤)による症状が現れ、浸潤する部位により、吐き気や嘔吐、頭痛、関節痛、腰痛、お腹の張りリンパ節の腫れなどの症状が現れます。
これらの症状は白血病(急性白血病)の種類によっても現れる症状や特徴が異なります。
白血病(急性白血病)の治療を理解するには、完治と寛解の違いを知っておくことが大切です。
「完治」とは、病気やけがなどが完全に治ることをいいます。一方、「寛解」は、病気の症状が一時的あるいは継続的に軽減した状態、または見かけ上は消失した状態のことをいいます。
白血病(急性白血病)の場合には、完治ではなく寛解という言葉が用いられますが、これはがんが再発する可能性がある病気や治療で使用されます。
血液のがんと呼ばれる白血病(急性白血病)は、治療法に、寛解導入療法や地固め療法などの治療が行われます。
寛解導入療法によって白血病細胞が5%以下になった場合を寛解とみなし、これを「部分寛解」といいます。その後、地固め療法で追加の抗がん剤による治療を行ってがんの状態がなくなり検査の数値も正常を示す状態になると「完全寛解」となり、再発することがない状態とみなされます。
白血病(急性白血病)は、完全寛解後も小さな病変が残っていることがあり、寛解導入療法中や終了後にも再発する場合があります。
白血病(急性白血病)の場合、完全寛解後の3~5年以内に再発するといわれており、再発後は再発前に使用したものとは違う種類の抗がん剤を使って治療したり、造血幹細胞移植が検討されたりします。
通常、完全寛解後も定期的に診察や検査を受け経過を観察していく必要があり、退院している期間には通常の生活を送ることができますが、ある程度の期間は入退院を繰り返すことになります。
白血病は早期に発見できた方が症状も軽く治療の結果も出やすいといわれています。できるだけこれまで通りの生活を続けていくためにも、信頼のできるかかりつけ医や何かあったときに相談しやすい病院を見つけておき不安があるときにすぐに相談できるようにしておきましょう。
白血病初期症状は、動悸や息切れなどの貧血症状や、あざや鼻血などの出血傾向、発熱などの免疫力の低下などです。白血病以外でも出てくる身近な症状なので見落としやすく、早期発見が難しくなります。
白血病(急性白血病)の治療のためには、白血病初期症状に気づくことも大切ですが、不調が続き「いつもと違う」と不安を感じたときに、すぐに受診できる医療機関やかかりつけ医を準備しておくことも大切です。
相談できる環境を作っておくためにも、若い人もかかりつけ医を見つけるようにしてくださいね。