記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/4/19
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
頭痛は、日本人のおよそ3人に1人が悩んでいると言われるほど身近な病気です。頭痛の中でも一番多いのが、首・肩まわりの筋肉が硬直することで発症する緊張型頭痛です。この記事では、緊張型頭痛を引き起こす原因と対処法を解説したいと思います。
緊張型頭痛は慢性頭痛の中で最も多いといわれる頭痛です。後頭部から首筋にかけて、頭のまわりを何かで締め付けられているような鈍い痛みがあらわれます。痛みは30分ぐらいで治まるときもありますが、長引くと1週間近く痛むこともあります。
緊張型頭痛の場合、首や肩の強いコリを感じたり、めまいやふらつき、全身のだるさを感じたりすることもありますが、動くと痛みがひどくなることはありません。ちなみに、痛みの原因が片頭痛の場合、頭の位置を動かしただけで痛みが強くなることがあります。また、光や音で痛みがひどくなったり、吐き気や嘔吐をともなうことも多いです。
緊張型頭痛の原因として、身体的ストレスと精神的ストレスが挙げられます。
緊張型頭痛の痛みは個人差はあるものの、多くの場合は日常生活に支障をきたすほど痛くはならないと思います。頭痛がしたら鎮痛剤に手を伸ばしたくなってしまうかもしれませんが、痛みがそれほどひどくないなら、塗り薬や貼り薬を痛む部分に使うことで症状を和らげることができます。
また、首や肩、背中まわりの筋肉のコリをほぐすために温めたタオルをあてたり、シャワーをかけたりすることで、血流を改善して筋肉にたまった老廃物を流すのもおすすめです。精神的なストレスが頭痛の原因と考えられる場合は、散歩で運動不足を解消したり、趣味の時間を作ってリフレッシュしたりすれば頭痛の改善につながると思います。
ただ、まもなく重要な会議やテストがあるなど、痛みをすぐに解消しなければいけない場面もあると思います。そのようなときは、市販の鎮痛剤を服用して症状を改善してください。
緊張型頭痛や片頭痛など、慢性的な頭痛に悩まされている方が気をつけなければいけないのが薬物乱用頭痛です。痛みに対処するために頻繁に鎮痛剤を服用していると、かえって頭痛が起こりやすくなってしまうのです。
薬物乱用頭痛は、鎮痛剤を日常的に飲み続けていたために中枢神経が敏感になってしまい、かえって痛みを感じやすくなるのが原因と考えられています。しかも、薬物乱用頭痛になると薬が効きにくくなるため、さらに薬を服用してしまうという悪循環に陥ってしまう恐れもあります。
以下に当てはまると、薬物乱用頭痛である可能性が高いです。このような状況にならないためにも、鎮痛剤の服用には十分に注意しましょう。
緊張型頭痛は、首や肩まわりの筋肉のこわばりや精神的なストレスなどが原因で発症すると考えられています。このため、症状を改善するためには、日常生活を見直してこまめに体を動かす時間を作ったり、自分なりのストレス解消法を見つけたりすることが大切です。鎮痛薬に頼りすぎると薬物乱用頭痛を引き起こす恐れもあるので、薬の服用はどうしても…というときだけにしましょう。