処方薬の飲み過ぎで依存症になることがあるって本当?

2019/3/23

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

医師から処方された薬を飲み続けても依存症に陥ることはほとんどありませんが、もともと依存性が強い薬を服用している場合、その期間が長引いたり、薬の量が増えたりすることで依存症になってしまうことがあります。この記事では、処方薬による依存症(処方薬依存症)について解説していきます。

処方薬依存症とは

処方薬依存症とは薬物依存症の一種です。たとえば処方された量以上の薬をまとめて飲んだり、多種多様な薬を求めて医療機関をはしごしたり、違法に入手するなどといった行為に及ぶといったことをしてしまうといった行為が処方薬依存症にあたります。

処方薬依存症になると、服用をしても効果を感じられず、服用量が増えてしまったり、自分の意志では服用を中止できなくなったりします。さらに重度の依存症になってしまうと、突然眠ってしまったり記憶を失ってしまったりするなど、日常生活や仕事に支障をきたすようになります。

また、常用量依存(用法・用量を守って服用しているものの、薬をやめようとしたり、減らそうとしたりすると症状が出てしまう状態)も処方薬依存症の一種となります。

どんな薬が処方薬依存症を招きやすい?

すべての処方薬が処方薬依存症を引き起こすわけではありません。エチゾラム、フルニトラゼパム、トリアゾラム、ゾルピデム、バルビツレート系の薬が、依存症を引き起こしやすいといわれています。

エチゾラムは、もともと依存性があることが知られている薬です。2016年に「麻薬及び向精神薬取締法」の第三種向精神薬に指定されており、個人輸入等を行うと法律で罰せられます。

フルニトラゼパムは不眠症の薬で、慢性または重度の不眠症の短期間の治療薬として使用されます。また、トリアゾラムもフルニトラゼパムと同じ系統の薬で、同様の作用を持ちます。そして、ゾルピデムも不眠症の薬ですが、こちらは習慣性が以前から指摘されており、「麻薬及び向精神薬取締法」の第三種向精神薬に指定されています。

最後に、バルビツレート系の薬は、抗精神病薬のクロルプロマジンと、抗てんかん薬のフェノバルビタール、抗ヒスタミン作用があるプロメタジンを合わせた配合薬です。大量に服用すると死に至る恐れがあります。

処方薬依存症にならないようにするには?

医師から処方された量を、処方された期間にだけ正しく服用すれば、処方薬依存症に陥ることはほとんどありません。また、依存症になりやすい薬の場合は、服用量が多かったり、服用期間が長引くと依存症のリスクが高くなるため、服用量を少なく、短期的に服用することが大切です。薬がなくなると不安だからと、違う病院で同じ薬を処方してもらうことのないようにしましょう。

また、自己判断による減薬・断薬は非常に危険です。中には依存に関係なく、飲み続けなければならない薬もあります。薬を減らさなければ、やめなければと思った場合は、必ず処方してくれた医師に相談してください。

おわりに:薬の内服方法は医師の指示をよく守りましょう

処方薬依存症の多くは、必要以上に薬を飲み続けることで発症します。医師から指示された期間、指示された量だけを飲むようにしましょう。また、依存を気にして自己判断で薬をやめてしまうのもリスクを伴いますので、必ず医師に相談することをお勧めします。

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