記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/4/27
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ついさっきお手洗いに行ったのにまた行きたくなってしまう、尿意をこらえきれずに冷や汗をかいてしまったことがあるといった症状がみられるとき、まず考えられるのが過活動膀胱です。この記事では、こうした症状がどの時間帯に、どのくらいの頻度で起きると過活動膀胱になるのかをチェックできる項目を紹介しつつ、過活動膀胱だった場合の治療法についても解説します。
過活動膀胱は、その名のとおり、尿を溜めておく膀胱の活動が過敏になる病気です。尿意や排尿のコントロールができなくなるため、尿意切迫感(まだ膀胱内に尿があまり溜まっていないにもかかわらず急にトイレに行きたくなってしまう)や、頻尿・夜間頻尿(トイレに行く回数が増える)が起こります。頻尿の目安は、昼間に1日8回以上、夜間頻尿の目安は夜間に1回でもトイレのために起きてしまう状態です。さらに、トイレまで我慢できず尿をもらしてしまう切迫性尿失禁も症状のひとつです。
以下に、病院に行く前に自分が過活動膀胱かどうかをセルフチェックしたい方のための質問票をご紹介します。4つの質問から、自分の状態にあてはまるものを1つお選びください。選択肢ごとに点数が設定されているので、最後にそれらを合計し、合計点に対応した診断結果を参考にしてください。過活動膀胱の疑いがある場合は、早めに医師に相談して治療を始めましょう。
この1週間、または3日間のあなたの状態に最も近いものを、選択肢の中から1つだけ選んでください。
回数 | 点数 |
---|---|
7回以下 | 0点 |
8~14回 | 1点 |
15回以上 | 2点 |
回数 | 点数 |
---|---|
0回 | 0点 |
1回 | 1点 |
2回 | 2点 |
3回以上 | 3点 |
回数 | 点数 |
---|---|
なし | 0点 |
週に1回より少ない | 1点 |
週に1回以上 | 2点 |
1日1回くらい | 3点 |
1日2~4回 | 4点 |
1日5回以上 | 5点 |
回数 | 点数 |
---|---|
なし | 0点 |
週に1回より少ない | 1点 |
週に1回以上 | 2点 |
1日1回くらい | 3点 |
1日2~4回 | 4点 |
1日5回以上 | 5点 |
※質問3は特に重要度が高く、質問3が2点以上で、全体の合計点数が3点以上の場合は特に注意が必要です。病院で診察を受けてください。
セルフチェックの結果、過活動膀胱の可能性が高い場合、男女とも泌尿器科に行くことをおすすめします。泌尿器科には、他の科にはないような排尿に関する症状の検査を行う医療機器が整っているためです。詳しい診断を受けることができれば、早く治療を始めることもできます。
しかし、泌尿器科の専門医がいる病院が近くにない場合は、いったんかかりつけの内科医などに相談してみるのもよいでしょう。専門医を紹介してもらうことで、早期の治療スタートにつなげられる場合もあります。紹介状を書いてもらうとさらにスムーズです。
過活動膀胱の治療は、薬物治療がメインです。膀胱の筋肉の過剰な収縮を抑制する働きや、膀胱の先にある尿道を拡げやすくする働きをもつ、抗コリン薬やβ3作動薬の2種類が主として用いられます。男性は、前立腺が原因となって過活動膀胱を発症することがあるため、その場合はα1ブロッカーという薬も用いられているようです。
さらに、漢方薬や、生活習慣の改善などが用いられることもあります。特に、頻尿の原因が寒さや心理的ストレスの可能性がある場合、薬物治療ではなく、心のケアや体質改善の方が必要な場合もあります。医師の問診とともに、原因を見極め、適切な治療法を探していくことになります。
過活動膀胱は、名前のとおり、尿を溜めておく膀胱の活動が過敏になる病気です。「尿意切迫感」「頻尿」「夜間頻尿」「切迫性尿失禁」などの症状があります。不安な人は質問票でセルフチェックをし、泌尿器科で診察を受けるようにしましょう。