春になると眠くなるのは暖かくなるから?それともほかの理由が?

2019/4/8

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

しっかり睡眠をとったはずなのに、春になるとやたらと眠くなるのはどうしてだろう…と悩んだことはありませんか?眠気が強くなる原因と対策を知っておくと、いざというときに役に立ちますよ。この記事では、春に眠くなる理由として考えられることと、その解決策をご紹介します。

春に眠くなるのはどうして?

春は眠気やだるさを感じやすい季節です。その原因として、メラトニンというホルモンの分泌や自律神経のはたらきが関係しているといわれています。

私たちのからだは、おおよそ25時間の周期がコントロールされています。しかし、地球の周期は24時間です。人間は、この時間を調節するために、太陽の光を浴びることで目をさますスイッチを入れています。この周期に関係しているのが、メラトニンとセロトニンというホルモンです。メラトニンは睡眠ホルモンとも呼ばれ、質の良い睡眠に関係します。冬から春は日照時間が変化する時期のため、ホルモン分泌が変化して睡眠のリズムが乱れるといわれています。

また、自律神経は内蔵や血管などの働きを調節して、からだのバランスを整える働きをしています。交感神経と副交換神経の2種類があり、これらが反対のはたらきをしながら内蔵の働きや体温、血圧などを調節しています。しかし、自律神経はさまざまなストレスを受けると乱れやすくなります。春の気温は不安定で、さっきまで暖かかったのに急に冷え込む、ということもあります。また、入学や入社など、新しい環境で緊張感が高く過ごす方も多くなります。こういった春特有のストレスが、睡眠にも影響を与えると考えられます。

眠気の原因は花粉症の薬、ということも?

眠気の原因は、ホルモンや自律神経の乱れだけとは限りません。花粉症の人が服用する「抗ヒスタミン薬」の中には、花粉症の症状を抑える一方で、副作用として眠気が生じるものもあります。

ヒスタミンはアミノ酸であるヒスチジンから合成される物質で、人間の体の中では脳の視床下部や肥満(マスト)細胞に蓄積されています。ヒスタミンは胃酸の分泌や免疫反応、脳内の情報伝達に関わっています。

花粉症は、このヒスタミンによる免疫反応で起こります。花粉が体内に入ると、ヒスタミンが放出してくしゃみや鼻水といった症状を起こします。抗ヒスタミン薬は、ヒスタミンのはたらきを抑えることで、つらい症状をやわらげます。

一方、脳に存在するヒスタミンは、神経同士に情報を受け渡す神経伝達物質として、覚醒をうながしたり興奮を高めたりしています。抗ヒスタミン薬を飲むことで、抗ヒスタミン薬によってアレルギー反応は抑えられる反面、脳内で起こるはずのヒスタミンの働きも抑えられるため、眠気が生じると考えられています。

春の眠気を解消するには?

春の眠気と上手に付き合っていくために、対策法をいくつかご紹介します。

朝しっかりと太陽の光を浴びる
体内時計をコントロールし、睡眠の質に関わるメラトニンは、朝にしっかりと光を浴びることで周期がコントロールされます。朝起きたらカーテンを開けて、朝の光をしっかりと浴びましょう。
からだを動かす
デスクワークのように、同じ姿勢で過ごしていると眠気が強くなります。誰かと会話をしたり、立ち上がったりといったアクションを起こしてみましょう。また、ガムを噛んだり、リズムよく歩いたりすることも眠気解消につながります。
短時間の昼寝をする
どうしても眠い場合は、思い切って短時間の睡眠をとるとよいでしょう。特に、食後は眠くなります。休憩時間を利用して、15分程度昼寝をしましょう。目覚める頃にカフェインの覚醒作用があらわれてくるよう、昼寝前にコーヒーや紅茶などカフェインを含む飲み物を摂るのもおすすめです。

おわりに:春に眠くなりやすいのは仕方がないこと。うまくつきあっていこう

「春眠暁を覚えず」ということばがあるように、春は眠気が起こりやすい季節です。自律神経の乱れや、花粉症の薬の影響などの影響が考えられます。太陽の光を浴びて軽くからだを動かしたり、短時間の睡眠をとったりしながら、眠気の解消をはかっていきましょう。

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