ポリミキシンBの特徴は?起こりうる副作用もあわせて解説!

2020/1/13

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

ひとくちに抗生物質といっても、実はさまざまな種類があります。この記事では、ポリミキシンBという抗生物質について、その特徴や効能、起こりうる副作用について解説します。

ポリミキシンBとは

細菌の細胞膜は細菌の生命維持に必要な物質の透過などを行っており、透過性が変化してしまうと細胞内の成分が放出されるなどして生きていけなくなります。ポリミキシンBは、この細胞膜に作用して細胞膜透過性を変化させることで殺菌する、ポリペプチド系抗生物質です。散剤(粉)であるポリミキシンBは、錠剤の内用薬として使用されるほか、外傷、熱傷、手術創などの二次感染に対して、蒸留水や生理食塩水で溶かして患部に散布するなど外用薬として使用される場合もあります。

ポリミキシンBは、グラム陰性桿菌(かんきん)という種類に属する緑膿菌、大腸菌、肺炎桿菌、エンテロバクタ―などに対して高い抗菌作用があるとされ、白血病治療時などの腸管内殺菌に有効なだけでなく、同様の効果が期待されるアミノグリコシド系抗生物質のカナマイシン、ゲンタマイシンの耐性菌にも抗菌作用を発揮します。肝障害による肝性脳症に対して、原因となるアンモニアを出す細菌を殺菌するために使われる場合もあります。また、医療現場では赤痢菌やサルモネラ菌にも有効性があるといわれています。

主なポリミキシンBの治療薬は?

ポリミキシンB製剤には、処方薬として、内用薬(錠剤)と外用薬(皮ふ湿布剤、その他)があります。錠剤としては、「硫酸ポリミキシンB錠」、外用薬である皮ふ湿布剤としては「テラマイシン®︎軟膏(ポリミキシンB含有)」、その他の外用薬として「硫酸ポリミキシンB散」があります。また、後発品(ジェネリック医薬品)として「ポロミキシンB末」「メタミキシン末」があります。ただし、これまでにポリミキシンBまたはコリスチンに対して過敏症を起こしたことのある人は、いずれも使用することはできません。

ポリミキシンBの副作用は?

過敏症として発疹、かゆみなどがあらわれることがあるほか、悪心、おう吐、食欲不振、下痢など消化器系の症状があらわれる可能性があります。過敏症があらわれた場合、服用を中止する必要があります。

また、まれではありますが、耳の手術後または鼓膜穿孔のある人への局所的な投与などで難聴があらわれるなど、神経系症状がでる場合があります。腎障害のある人や腸疾患または腸管障害をともなう腎障害のある人も、症状が悪化したり神経系の障害を起こすことがあるので、投与は慎重に行う必要があるとされています。

そのほか、麻酔剤や筋弛緩剤、アミノグリコシド系抗生物質などと併用した場合、クラーレ様作用(神経筋遮断作用)による呼吸抑制が強くあらわれることがあるので注意が必要です。

おわりに:細菌の細胞膜の透過性を変化させ殺菌します。腸管感染症や外傷の二次感染に有効です

ポリミキシンBはポリペプチド系抗生物質で、細菌の細胞膜に作用して細胞膜透過性を変化させることで殺菌する抗生物質です。緑膿菌、大腸菌、肺炎桿菌、エンテロバクタ―などに対して高い抗菌作用があり、白血病治療時などの腸管内殺菌に有効とされています。内用薬として使われるほか、外用薬として外傷、熱傷などの二次感染に対しても用いられます。副作用として、発疹やかゆみなどの過敏症や、消化器系、神経系の症状などに注意が必要です。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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