花粉症の治療で使われる抗ヒスタミン薬にはどんなものがある?

2019/4/1

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

花粉症によるアレルギー症状を抑える代表的な薬のひとつが抗ヒスタミン薬です。くしゃみ、鼻水、目のかゆみなどの症状を和らげる効果を持ち、複数の種類に分かれています。この記事では、抗ヒスタミン薬について詳しく紹介します。

花粉症の治療で使われる抗ヒスタミン薬とは

ヒスタミンとは、体内の脂肪(マスト)細胞内で生成される物質です。異物が体の中に侵入するとヒスタミンが放出され、異物を排除しようとする反応が始まります。このヒスタミンの作用によって、くしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどのアレルギー症状が発生します。

抗ヒスタミン薬に含まれる成分が脳に働きかけると、脳はアレルギー症状を出す命令を止めます。するとヒスタミンの作用が抑えられ、アレルギー症状が和らぐのです。

抗ヒスタミン薬には2種類ある

抗ヒスタミン薬は第1世代抗ヒスタミン薬第2世代抗ヒスタミン薬の2つの種類に分かれています。

第1世代抗ヒスタミン薬
脳の中枢神経に働きかけ、ヒスタミンの作用を抑えます

主な効果
鼻水、鼻づまり、くしゃみの緩和
副作用
眠気、インペアード・パフォーマンス(集中力や判断力の低下、作業能率の低下など)、抗コリン作用(口腔内の渇き、排尿困難、眼圧上昇など)
注意事項
緑内障、前立腺肥大の方は使用禁止。市販薬購入の際は医師や薬剤師に要相談
第2世代抗ヒスタミン薬
Ⅰ類とⅡ類に分かれます。脳の中枢神経に働きかけ、ヒスタミンの作用と放出を抑えます。

主な効果
鼻水、鼻づまり、くしゃみの緩和
副作用
比較的少ないですが、Ⅰ類はてんかん、熱性けいれんの悪化に注意
注意事項
花粉の飛散時期や症状悪化の前に服用することが推奨されます

抗ヒスタミン薬の副作用は自覚がないまま発生していることもありますので注意しましょう。上記2種類のうち、第2世代抗ヒスタミン薬は副作用が比較的少ないといわれています。ご自身の症状やライフスタイルを考慮して、薬を選択することをおすすめします。

抗コリン作用とは

コリンとは、神経の働きをサポートする神経伝達物質アセチルコリンのことです。アセチルコリンは脳や臓器、神経の働きに作用する重要な物質です。抗ヒスタミン薬など特定の薬を服用するとアセチルコリンに影響を及ぼし、口の渇き、排尿困難、眼圧上昇、便秘、腹部の不快感、動悸などの抗コリン作用の症状が発生することがあります。

一般的な抗ヒスタミン薬は?

第1世代、第2世代それぞれの抗ヒスタミン薬には複数の種類があります。販売時の商品名と薬物の名称である一般名を紹介します(商品名(一般名))。

第1世代抗ヒスタミン薬の種類

  • タベジール(フマル酸クレマスチン)
  • レスタミン(ジフェンヒドラミン)
  • ポララミン(マレイン酸クロルフェニラミン)
  • ヒベルナ、ピレチア(プロメタジン)
  • アタラックス(P)((パモ酸)ヒドロキシジン)
  • ホモクロミン(ホモクロルシクリジン)
  • ペリアクチン(シプロヘプタジン)

第2世代抗ヒスタミン薬(I類)の種類

  • アゼプチン(アゼラスチン)
  • ゼスラン、ニポラジン(メキタジン)
  • セルテクト(オキサトミド)
  • ザジテン(フマル酸ケトチフェン)
  • ダレン(フマル酸エメダスチン)
  • レミカット(フマル酸エメダスチン)
  • アレサガ(フマル酸エメダスチン)

第2世代抗ヒスタミン薬(Ⅱ類)の種類

  • アレグラ(フェキソフェナジン)
  • ディレグラ(フェキソフェナジン、プソイドエフェドリン)
  • アレジオン(エピナスチン)
  • アレロック(オロパタジン)
  • クラリチン(ロラタジン)
  • デザレックス(デスロラタジン)
  • ルパフィン(ルパタジン、デスロラタジン)
  • エバステル(エバスチン)
  • ジルテック(セチリジン)
  • タリオン(ベシル酸べポタスチン)
  • ザイザル(レボセチリジン)
  • ビラノア(ビラスチン)

おわりに:メリットとデメリットなど、薬の副作用を理解して使用しましょう

花粉症で使用する薬にはさまざまな種類がありますので、症状の程度やライフスタイルに合わせて選びましょう。既往歴や現在服用中の薬がある方は注意が必要です。疑問や不安を感じたら、医師や薬剤師に相談してください。

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