ベンゾジアゼピン系睡眠薬ってどんな特徴をもつ薬なの?

2019/4/23

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

睡眠薬にはさまざまな種類がありますが、大きくベンゾジアゼピン系と非ベンゾジアゼピン系の2種類に分けることができます。
この記事ではベンゾジアゼピン系睡眠薬について、その特徴や分類、使用にあたっての副作用や注意点などを解説します。

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬の特徴は?

ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、日本で50年以上前から不眠症や睡眠障害の治療に使われてきた薬です。脳内で神経興奮を司るベンゾジアゼピン受容体を刺激し、脳の興奮を抑えることで脳の活動全般を抑制して眠気を起こりやすくする作用があります。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬は作用時間で分類できる

ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、作用が持続する時間ごとに超短時間型・短時間型・中間型・長時間型の4つに分類されます。代表的なベンゾジアゼピン系睡眠薬を、作用時間ごとに紹介します。

超短時間型
トリアゾラム
短時間型
ブロチゾラム、ロルメタゼパム、リルマザホン
中間型
フルニトラゼパム、エスタゾラム、ニトラゼパム
長時間型
クアゼパム、ハロキサゾラム、フルラゼパム

なお、これらの種類は症状が慢性的か一時的か、睡眠障害が入眠時のみか継続睡眠が難しいかなど、患者の睡眠障害の現れ方や程度によって使い分けられています。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬の副作用や注意点は?

ベンゾジアゼピン系睡眠薬は比較的安全性が高い睡眠薬ですが、一方で以下のような副作用や依存性が現れやすい、という特徴も持っています。

  • ふらつき、頭痛、めまいなどの精神神経系症状
  • 筋弛緩による全身の脱力感、倦怠感、またこれによる転倒
  • 入眠までの記憶があいまいになる、一時的な物忘れ

特に、持ち越し効果(起床後も薬の効果が続くためにふらつきや脱力感、眠気が残ってしまうこと)は起こりやすいといわれています。このため、ふらつきや転倒のリスクが高い高齢者や、日常的に車の運転をする人が服用する場合には、十分な注意が必要です。

また、アルコールと一緒に摂取すると薬の作用が強くなりすぎてしまうため、ベンゾジアゼピン系睡眠薬の服用中は飲酒を控えてください。

主なベンゾジアゼピン系睡眠薬にはどんなものがある?

ここからは、一般的に知られるベンゾジアゼピン系睡眠薬の商品名とそれぞれの特徴を、まとめてご紹介します。

ハルシオン®︎
超短時間型に分類されるトリアゾラム製剤。アルコールとの摂取が特に危険とされる。
レンドルミン®︎
短時間型に分類されるブロチゾラム製剤。水で飲みこむ錠剤が基本だが、口腔内で溶かして飲めるものもあるため、嚥下が困難な人でも服用しやすい。
エバミール®︎、ロラメット®︎
短時間型に分類されるロルメタゼパム製剤。腎機能や肝機能に疾患や障がいがある人でも、比較的安全に服用できる。
ベンザリン®︎、ネルボン®︎
中間型に分類されるニトラゼパム製剤。てんかん治療や麻酔前投与にも使われ、ベンザリンは細粒、ネルボンは散剤の粉薬タイプ。
サイレース®︎、ロヒプノール®︎
中間型に分類されるフルニトラゼパム製剤。アメリカ合衆国など、一部外国への持ち込みは禁止されている。
ドラール®︎
長時間型に分類されるクアゼパム製剤。食後すぐの服用は作用を過度に強めてしまうため、注意が必要。

おわりに:ベンゾジアゼピン系睡眠薬は古くからある睡眠薬。運転する方や高齢の方は服用に注意が必要です

睡眠薬のひとつであるベンゾジアゼピン系睡眠薬は、日本で50年以上前から睡眠障害の治療に用いられてきた、ポピュラーな薬です。ベンゾジアゼピン受容体というところに作用して脳の活動を鎮めることで、心身の興奮を抑制し、眠気を起こりやすくする作用を持っています。ただし、翌日までふらつきや眠気が起こる持ち越し効果や、頭痛や物忘れなどの副作用が起こりやすく、依存性が高いという側面もあります。服用する際は、医師の指示をきちんと守りましょう。

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