花粉症の治療で使われるステロイド薬ってどんなもの?

2019/5/15

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

花粉症の季節になると、辛い症状に悩まされる人も少なくないのではないでしょうか。そこで今回は花粉症の治療に使われるステロイド薬の効果や点鼻薬の詳細などをご紹介します。

花粉症の治療で使われるステロイド薬のタイプは?

アレルギー性鼻炎の治療に使われる薬には、主に内服薬と点鼻薬の2種類があります。

内服薬

アレルギー性鼻炎などに使われる抗ヒスタミン剤との合剤がよく処方されることで知られています。即効性に期待はできますが、副作用がみられるため、1~2週間程度での使用に留めましょう。また、ステロイド注射(薬をチューブから体内に入れる際にカプセル剤や錠剤を粉末状にせず、ぬるま湯に溶かし入れて投与する)は、副作用の理由からガイドラインでは推奨されていません。

点鼻薬

液体タイプと粉末タイプの2種類があり、鼻に直接噴射する薬です。1日複数回にわけて使用するもの、1日1回で済むものなど、さまざまなタイプがあります。鼻水、くしゃみ、鼻づまりに広く効果が期待でき、アレルギー性鼻炎の治療薬の中では症状の改善に効果が得られやすいといわれています。

ステロイド点鼻薬の働きは?

ステロイドは、ステロイド受容体と結びつくことで効果を発揮します。ただし、ステロイド受容体は全身の組織や細胞に存在するため、ステロイドが配合された内服薬などではその副作用が問題となっています。一方でステロイド点鼻薬は炎症を引き起こす鼻粘膜の細胞に直接噴射するため、少しの量で炎症を起こしている細胞にはたらき、副作用も少ないといわれています。

ステロイド点鼻薬と血管収縮剤配合の点鼻薬の違いは?

ステロイド点鼻薬と血管収縮剤配合の点鼻薬の違いは、主に以下の通りです。

ステロイド点鼻薬

ステロイド点鼻薬は鼻の炎症を抑えて、鼻づまり自体を解消させることが特徴です。個人差はありますが、1~2日で効果が期待できます。また血管収縮剤が配合された点鼻薬より即効性には劣りますが、毎日使用することによって鼻粘膜の炎症を抑えるはたらきがあるといわれています。そのため、症状が落ち着いている場合でも主治医から指定された期間は使い続けましょう。また副作用が出にくいことも特徴のひとつです。

血管収縮剤配合の点鼻薬

アレルギー性鼻炎の鼻づまりには、血管収縮剤配合の点鼻薬が使われることが一般的でした。血管収縮剤は鼻粘膜の血管を収縮させることで、鼻づまりを解消させることが目的です。使うとすぐに効果がみられ、鼻づまりがスッキリした感じが得られるといわれています。ただし、このような即効性はあっても炎症を抑えるはたらきはなく、薬の効果が切れると鼻粘膜が腫れて鼻づまりが起きてしまうなどの副作用がみられます。また「薬剤性鼻炎」といって、使えば使うほど点鼻する回数を多くしないとだんだんと効かなくなることも特徴のひとつです。そのため、鼻閉が強くみられる人など、重症な人のみに処方する病院もあります。即効性が得られても、使いすぎないようにしましょう。

ステロイド点鼻薬を使ったとき、副作用はある?

ステロイド点鼻薬の副作用は全身性のものはほとんどありませんが、鼻出血、鼻刺激感などがみられる場合があります。ただし、何か異変を感じることがあれば、速やかに医師や薬剤師へ相談しましょう。

おわりに:ステロイド点鼻薬は、症状そのものにはたらきます

花粉症の治療薬のひとつである点鼻薬にも種類があり、中でもステロイド点鼻薬は鼻の炎症そのものにはたらきかけて効果を発揮します。ただし副作用もあるため、気になる症状がみられた場合には、医師や薬剤師に相談しましょう。

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