消化薬を服用するのはどんなとき?具体的な働きは?

2019/5/30

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

胃の調子が悪くなって食べ物を消化する働きが弱ってきたとき、役に立つのが消化薬です。この記事では、消化薬に含まれる成分を中心に、働きや副作用の可能性なども解説します。

消化薬ってどんな薬?

消化薬は、消化を助ける薬です。食べ過ぎや消化不良、食欲不振、胃もたれといった症状のときに服用することで、症状を緩和します。

食べ物に含まれる炭水化物やタンパク質、脂肪などの成分は、口腔や胃、小腸、十二指腸(膵臓)を通る間にさまざまな消化酵素によって分解され、体内でエネルギーとして消費できるようになっています。

しかし、何らかの原因で消化酵素が不足すると、食べ物を十分に分解できなくなります。その結果、消化不良を起こして胃痛や胃もたれ、便秘や下痢といった消化器症状を起こすほか、皮膚症状や血液の流れが悪くなるといった症状が起こることもあります。消化剤には、消化酵素と同じ働きをする成分が含まれています。

消化薬の働きは?

消化酵素はさまざまな種類があり、それぞれ分解できるものが決まっています。消化するには複数の消化酵素が必要になるため、消化薬には数種類の消化酵素が配合されています。代表的な消化酵素として、以下のようなものがあります。

アミラーゼ
デンプンを分解する消化酵素です。口腔で分泌される唾液や膵臓に含まれる消化酵素で、十二指腸にも分泌されます。
リパーゼ
脂肪を分解する消化酵素です。膵臓に含まれる消化酵素で、十二指腸にも分泌されます。
プロテアーゼ
プロテアーゼはタンパク質を分解する消化酵素です。ペプシンやトリプシン、キモトリプシンなどがあり、胃や膵臓、小腸に含まれています。植物や果物、きのこ類の中には、プロテアーゼを豊富に含むものがあります。
マルターゼ
麦芽糖を分解して、ブドウ糖(グルコース)にする消化酵素です。唾液や膵臓、小腸に含まれています。

消化薬で起こりうる副作用は?

消化薬で副作用が起こることはあまりないと言われていますが、くしゃみや、皮膚が赤くなったりブツブツができるといった発赤や発疹などの症状が起こる可能性があります

消化薬は医師が処方するもののほか、薬局やドラッグストアで自分で選んで購入できるものも多くあります。症状に合う薬を選ぶために、店頭の薬剤師や登録販売者に相談をしてみるのもおすすめです。また、どんな薬でも副作用のリスクについては注意をしておく必要があります。薬を飲み始めてから気になる症状がみられたときには、早めに医療機関を受診しましょう。

おわりに:消化薬は食べ物の消化を助ける働きがあります

消化薬は、何らかの原因で消化酵素が不足したり、作用しづらくなったときに消化酵素を補う薬です。消化を助けることで、胃痛や胃もたれ、便秘、下痢といった症状を改善します。消化薬の副作用が起こることはまれではあるものの、絶対にないとは言い切れないので、気になる症状がみられたら医師や薬剤師に相談しましょう。

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