大人のおたふく風邪は合併症に注意!予防法や注意点は?

2019/5/20

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

大人のおたふく風邪は重症化しやすく、難聴や脳炎、髄膜炎などの合併症のほかに、不妊のリスクがある精巣炎や卵巣炎を発症することがあり早急な受診が必要になります。では、大人のおたふく風邪はどのような特徴があるのでしょうか?
今回は、症状や特徴、治療中の過ごし方などを含めて大人のおたふく風邪について解説します。

おたふく風邪とは

おたふく風邪は、正しくは「流行性耳下腺炎」ともいい、ムンプスウイルスによって耳の下が腫れるウイルス感染症です。両方の耳の下または片方の耳の下が腫れて痛みが出る疾患で、おたふくのように腫れあがった顔になることが特徴です。

1年を通して感染する病気ですが、冬から初夏にかけて流行します。通常は3~6歳に多く起こりますが、大人でもこれまでおたふく風邪になった経験のない人も、おたふく風邪にかかることがあります。

また稀に、これまでおたふく風邪にかかったことがある人や予防接種を受けている人でも、人から人へうつる感染症です。大人の場合、不妊などの合併症を引き起こすこともあるので、早めに受診・治療することが大切です。

おたふく風邪(流行性耳下腺炎)の特徴
  • ウイルスの種類:ムンプスウイルス
  • 流行時期:冬から初夏、一年を通して感染する
  • 大人の感染:これまで感染したことがない人、稀に2度目の感染を起こす
  • 感染経路:飛沫感染、接触感染
  • その他:大人の場合、不妊などの合併症のリスクがある

大人のおたふく風邪の特徴

大人のおたふく風邪も子供のおたふく風邪と同様に、2~3週間の潜伏期間ののちに発症し、38度程度の熱と耳の下の「耳下腺」の腫れを特徴とします。

38度程度の熱とともに口をあけたり食べ物を飲み込んだりするときに強く痛みますが大人の場合は子供よりも症状が強く現れることが多く、症状は1~2週間ほどで改善していきます。
ほとんどの場合は両方の耳の下が腫れを認めますが、片側だけ腫れることもあります。

通常は、子供の頃におたふく風邪にかかると免疫ができるため、これまでおたふく風邪になった人を除いて発症することはまれですが、予防接種を受けている人や一度罹ったことがある人でも免疫力が弱くなっていることなどで発症することがあります。

おたふく風邪の治療は、熱を下げたり耳の下の痛みを和らげたりするための「対症療法」が基本です。症状に合わせて解熱鎮痛剤などが処方されますので、医師の指示通りに服薬し、安静に過ごしましょう。

大人の治療期間中の注意点

大人も子供も基本的な治療法は「対症療法」しかありません。大人は子供の発症に比べ症状が強く出ることが多く重症化しやすいため療養中はとくに注意しなければいけません。
年齢を問わない合併症には無菌性髄膜炎があり、激しい頭痛と高熱、吐き気・嘔吐が特徴です。おたふく風邪の感染後に激しい頭痛を認めるようであれば早急に医療機関を受診し入院による治療が必要になります。

また、男性の場合は精巣炎、女性の場合は卵巣炎に注意しなければなりません。どちらもムンプスウイルスが血液によって生殖器に運ばれることで発症し、どちらの場合も不妊のリスクが高くなります。
おたふく風邪発症後に下腹部や睾丸に激しい痛みがある場合は早急に医療機関を受診しましょう。

大人も予防接種を受けよう

これまでにおたふく風邪になった経験がなく、予防接種を受けた経験がない人は、おたふく風邪の予防と重症化させないために予防接種を受けましょう。
特に、結婚や妊娠を考えている人はパートナーと一緒に予防接種することをおすすめします。また、予防接種は不妊だけでなく、脳炎やムンプス難聴を防ぐことにも有効です。

日本ではムンプスウイルスのワクチンは任意となっていますので、親御さんに過去に予防接種を受けた経験があるかを尋ねてみましょう。

おわりに:重症化させないためにも症状がひどくなったら早期受診を!

大人のおたふく風邪は重症化しやすく、難聴や脳炎、髄膜炎などの合併症のほかに、不妊のリスクがある精巣炎や卵巣炎を発症することがあります。おたふく風邪は基本的に対症療法となり症状を緩和する治療になりますが、発症後も照応がひどくなるような場合は、早急に医療機関を受診し診察を受けましょう。

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