記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/6/17
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
血糖値を下げる働きを持つホルモンに、GLP-1(ジーエルピーワン)があります。糖尿病治療法では、GLP-1を補うGLP-1受容体作動薬を使用することがあります。この記事では、GLP-1受容体作動薬とはどんな効果や副作用を持つのかを紹介します。
GLP-1受容体作動薬とはGLP-1ホルモンを補う薬で、糖尿病治療に使用されます。
体内に食べ物が入って血糖値が上昇すると、小腸がGLP-1を分泌します。GLP-1は膵臓へ移動してインスリンを分泌を促進し、血糖値を低下させます。GLP-1受容体作動薬はGLP-1と同じ作用を膵臓に与え、インスリン分泌を助けます。食後の血糖値が高くなっているときに作用します。
糖尿病治療では「HbA1c(ヘモグロビンエイワンシー)が7%未満」になることを目指して治療法を選択します。血糖値が高い状態が続くと感染症、高血圧、歯周病などのほか、脳梗塞や脳卒中、心筋梗塞など命に関わる合併症を引き起こす可能性があるため、血糖コントロールは糖尿病の治療においてとても重要です。
ただし、治療を始めても効果があまりあらわれない場合、GLP-1受容体作動薬での治療を取り入れることがあります。
GLP-1受容体作動薬は注射タイプの薬液です。投与のタイミングが「1日に1回」か「1週間に1回」かによって、大きく2種類に分かれます。
注射器にも種類があり、それぞれ使用方法が異なります。
GLP-1受容体作動薬の副作用で代表的なものとして、低血糖と消化器症状(便秘、下痢、吐き気や嘔吐)があります。
GLP-1受容体作動薬は低血糖を引き起こす可能性は比較的低いのですが、SU(スルホニル尿素)薬やインスリンと併用する場合は低血糖に注意が必要です。冷や汗、不快感、手足のふるえ、脱力感などが突然あらわれたり持続した場合、低血糖が発生しているおそれがあります。
以下に、低血糖が起きた場合の対処法を紹介します。
すでに糖尿病の治療をしているけれど効果があまりみられない場合、GLP-1受容体作動薬で症状が改善する可能性があります。特に食後の高血糖にお悩みの方に処方されることが多い薬です。ただし、SU薬やインスリンと併用する場合は、低血糖などの副作用が起こりやすいため、対処法も十分理解しましょう。