記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/6/19
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
糖尿病などにより血糖値を自力で適切に制御できなくなったとき、その代わりとして、血糖値を下げる作用のある薬を投与することがあります。この記事では、血糖値を下げる目的で投与される薬剤の一種「インスリンアナログ製剤」について、その特徴や種類、使用上の注意点を解説します。
通常、体には上昇した血糖値を適正な値まで下げるインスリンというホルモンがあり、食後に膵臓から放出される仕組みになっています。しかし糖尿病を発症して膵臓やインスリンそのものの働きが悪くなってしまうと、血糖値が適切な値まで下がらなくなります。
インスリンアナログ製剤は、インスリンとほぼ同じ生理作用がありながら、人工的に作用時間を調整した薬剤です。このため、血糖値を下げる作用が現れるまでの時間が極端に短かったり、作用の持続時間が非常に長いものなど、作用の発現・持続時間によっていくつかの種類が存在しています。
ここでは、4種類のインスリンアナログ製剤とその特徴についてご紹介します。
注射から発現までにかかる時間が非常に短く、1日3回の食事の直前に注射をすれば、人が本来持つリズムに近いかたちで食後の血糖値を下げてくる薬剤です。
食事にあわせてではなく、1日1回決められた時間に注射することで、基本的なインスリン分泌量の不足を補い1日の血糖値を全体的に下げる作用があります。
決められた食事の前に注射することで、食事による血糖値の上昇を抑え、さらに1日当たりの基本的なインスリン分泌量の不足も補う効果が期待できます。使用直前によく混ぜる必要があります。
決められた食事の前に使用し、食後の血糖値上昇をコントロールするとともに、1日の基本的なインスリン分泌量の不足も補ってくれます。
上記のうち、超即効型と持効型の特徴の両方を持つ二相性インスリンアナログや配合溶解インスリンアナログは、混合型と呼ばれています。
続いて、主なインスリンアナログ製剤の名前をご紹介します。
インスリンアナログ製剤を投与している間は、低血糖に気をつける必要があります。以下に、インスリンアナログ製剤の投与中に現れる可能性のある低血糖の症状と適切な対処法・予防法をご紹介します。
インスリンアナログ製剤は、人の体内で分泌され血糖値をコントロールするホルモン・インスリンの代わりに、血糖値を下げてくれる薬剤です。薬の効果が現れるまでの時間、そして薬効の持続時間により超即効型、持効型、二相性と配合溶解を含む混合型の4つに分けられています。注射すべきタイミングも種類によって異なるため、薬の作用による低血糖の発症とあわせて、使用には注意が必要です。医師の指示を守って適切に使いましょう。