インスリン抵抗性改善薬の特徴は?服用時の注意点は?

2019/6/20

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

糖尿病には、膵臓のインスリンを出す細胞壊されてしまう1型糖尿病と、インスリンの効き目が悪くなったために発症する2型糖尿病の2種類があります。この記事では、主に2型糖尿病の治療で使われるインスリン抵抗性改善薬について、その特徴や使用上の注意点などを解説します。

インスリン抵抗性改善薬とは

通常インスリンは、血糖を肝臓、骨格筋、脂肪組織などで代謝させたり、脂肪として蓄えることで調整し、血糖値を適切な値に保っています。しかし2型糖尿病の患者さんの中には、体の各所のインスリンへの反応が鈍くなってしまい、インスリンが十分に働けなくなる「インスリン抵抗性」から発病するものもあります。

インスリン抵抗性改善薬は、主に体内の脂肪組織に働きかけてインスリン抵抗性を誘発する物質を減少させ、インスリン抵抗性を改善させ血糖値を下げる効果のある薬です。

なお、インスリン抵抗性は主に肥満から引き起こされるものと考えられています。このため、インスリン抵抗性改善薬が用いられるのは、主に食事療法・運動療法をきちんと行っているのに血糖値コントロールがうまくいかない肥満の2型糖尿病の方が中心です。

インスリン抵抗性改善薬にはどんなものがあるの?

インスリン抵抗性改善薬のうち、代表的なものとしてピオグリタゾン塩酸塩(商品名:アクトス®︎)があります。糖尿病治療薬としては新しい部類に入り、単独で処方するほか、以下のような異なる系統の薬剤と併用で処方されることも多いです。

インスリン抵抗性改善薬と併用されることの多い薬剤の例
スルホニルウレア系薬、グリニド系薬、α-グルコシダーゼ阻害薬、ビグアナイド系のメトホルミン など

考えられる副作用と、服用時の注意点は?

インスリン抵抗性改善薬の使用に伴う副作用と注意点は、それぞれ以下の通りです。

インスリン抵抗性改善薬によって起こり得る副作用
体重の増加、むくみ、貧血、酵素の一種である血清CPK・血清LDHの上昇、肝機能障害

なお、インスリン抵抗性改善薬は、糖尿病治療の基本となる食事療法・運動療法がきちんと実施されていてこそ効果を発揮します。

特に食事療法は重要で、適切な食事療法を行わずにインスリン抵抗性改善薬を服用しても、一時的な血糖コントロール効果しか得られず、再び症状が悪化します。食事や運動など、日常生活の改善にもしっかり取り組みましょう。

おわりに:インスリン抵抗性改善薬は、体のインスリンへの感受性を上げる薬

糖尿病のうち、肥満などが原因でインスリンへの各組織の感受性が低下し、適切に血糖を代謝しコントロールできなくなる状態をインスリン抵抗性と呼びます。インスリン抵抗性の治療は食事療法・運動療法など、生活習慣の改善をメインに行いますが、それでも十分な効果を得られないときにはインスリン抵抗性改善薬が使用されます。

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