記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2024/10/23
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ペットをはじめ、動物園で触れ合えるものから野生動物まで、動物と接触することが原因で発症する感染症があります。この記事では、動物との触れ合いで起こる動物由来感染症の感染の仕方や感染のリスクがある場面、予防対策について解説していきます。
動物と触れ合ったことがきっかけで発症する感染症を動物由来感染症と言います。感染の仕方は、直接伝播(ちょくせつでんぱん)と間接伝播(かんせつでんぱん)に分けられます。
動物から受けた噛み傷やひっかき傷、動物に傷口を舐められることで、病原体が人体に侵入して感染するものです。傷口以外にも、動物の体や糞尿に付着していた病原体に触れてしまったり、動物の咳やくしゃみを直接受けたりすることも直接伝播に含まれます。
虫などの媒介、水や土の媒介、または汚染された食品を媒介として、動物由来の病原体に間接的に感染することを間接伝播いいます。一般的には、虫などの媒介によるものを「ベクター媒介」、水や土によるものを「環境媒介」、食品によるものを「動物性食品媒介」として、それぞれ区別して考えます。
例えば、以下いずれかの方法で動物に接触している場合、動物由来感染症にかかる可能性があります。
日本の動物園において、展示動物による動物由来感染症の来園者への発生が確認されているのは、2001年12月の1件のみです。この1件の感染例は、社団法人 日本動物園水族館協会非加盟の鳥類専門の飼育展示施設で、飼育員と来園者の両方にオウム由来の集団感染が発生したものと報告されています。なお、本件以外に日本の一般的な動物園で感染が起こった事例はありません。衛生管理を徹底している一般的な動物園であれば、日本の動物園の利用で動物由来の感染症にかかるリスクはほとんどないといわれています。
動物由来感染症を予防するためには、以下の対策が役立つ可能性があります。
以上に注意し、もし動物との接触後に体調不良が現れたら、重症化する前にできるだけ早く病院に行って診察を受けてください。
動物は、わたしたち人間とは異なる体の仕組みを持っていて、人間にとって病原体となるものが動物の糞尿や皮膚、体毛や体液に含まれている可能性があります。動物由来感染症のリスクは、野生動物のみならずペットや動物園の展示動物まで、すべての動物に存在しています。動物由来の感染症を防ぐには、動物と適度な距離を守って接触することが大切です。