記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/6/5
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
湿気が多く、天気も崩れがちになる梅雨。特に疲れがたまっているわけでもないのに、毎年梅雨の時期になると体調を壊す、という人も少なくありません。
今回は梅雨になると体調を壊す理由や、現れやすい症状、梅雨どきの体調不良を乗り越えるためにできることを、まとめて解説していきます。
気圧が下がって湿気が増え、天気が変わりやすくなる梅雨に不調を感じやすくなる原因として、以下が挙げられます。
自律神経には、適度な緊張状態を司る交感神経とリラックス時を司る副交感神経の2つがあり、ホルモンの分泌量や体温の調整、呼吸、免疫機能などをコントロールしています。
梅雨の時期には副交感神経が強く働きやすいうえ、気圧と天候の変化から、交感神経と副交感神経のスイッチがうまくいかなくなり、バランスを崩しやすくなってしまうのです。
また、運動不足や水分が体に溜まることによる冷えやむくみも、心身の不調の原因となるので注意が必要です。
梅雨の時期によくみられる体調不良として、以下が挙げられます。
人によって症状の現れ方は異なりますが、汗っかきで水分ばかりを摂取しがちな方や、肝臓の状態が良くない方などに現れやすい傾向があります。
ここからは、体調を崩しがちなう梅雨を元気に乗り越えるために気を付けるべき食生活のポイントを3つご紹介します。
朝食を食べることで、起きているべき昼間の時間帯には交感神経が、休むべき夜の時間帯には副交感神経が優位になる理想的なリズムが整います。日ごろから自律神経の切り替えバランスを整えておくことで、自律神経が不調を起こしやすい梅雨どきでも、体調を崩しにくくなります。
メニューとしてはじゃこや鮭、おかかのおにぎりがおすすめですが、食欲のない人はバナナやゆで卵、チーズ、ヨーグルト、みそ汁のみでもOKです。
気温が高くなると冷たいものが欲しくなりがちですが、飲食物で体を冷やすと、梅雨どきのさらなる冷えや体調不良の原因となります。できるだけ温かい飲食物を選び、生姜やニンニク、ネギ、唐辛子や香辛料など、体を温める作用のたる食材を積極的に取り入れてください。
梅雨どきの倦怠感や冷えの原因であるむくみを予防するために、水分と老廃物を出しやすくする、利尿作用のある飲食物を多めに摂ってください。
利尿作用のある成分としてはカリウムとカフェインが挙げられ、カリウムはきゅうりやトウモロコシ、スイカなどの野菜や果物、カフェインはコーヒーに多く含まれています。
ただし、これらを摂りすぎると体が冷えやすくなるので、体を温めるものとうまく組み合わせて適度に摂取を意識しましょう。
湿気の多い梅雨は、体調不良と同時に食中毒も発生しやすい季節です。サルモネラ菌やO-157、腸炎ビブリオ菌、毒素原発性大腸菌、ブドウ球菌、ボツリヌス菌など、梅雨どきの高温多湿環境を好む細菌は多くいます。
ブドウ球菌とボツリヌス菌以外は、十分に加熱殺菌することで予防できますので、食材はできるだけ生のものを避け、加熱調理して食べるようにしましょう。また調理においても、作業前には必ず手と器具を洗浄・消毒し、手早く調理してその日のうちに食べきることを徹底してください。
梅雨は湿気が多く、気圧や天候も変わりやすくなる時期です。気圧や天候の変化は私たちの体にも確実に影響を与え、自律神経の乱れや倦怠感、むくみなどの不調を引き起こします。これら梅雨どきの不調は、日ごろから自律神経のバランスを整え、冷えとむくみを食生活から防止することである程度予防できます。この記事を参考に、梅雨時の体調不良を乗り越え元気に夏を迎えられるよう、頑張ってみましょう。