登山や川遊びでケガをしたときの対処法は?

2019/7/12

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

暑い日が続くと、涼しい場所を求めて山や川などに遊びに行くことが増えると思います。このようなときに気をつけたいのが、思わぬケガやトラブルに巻き込まれてしまうこと。この記事では、山や川などでケガやトラブルに遭ったときの対処法を紹介します。

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足がつったときの対処法は?

ふくらはぎなど足がつった場合、痛みやつりを緩和する応急処置として、まずつっている筋肉と膝を、つま先を起こすように上げてゆっくりと伸ばします。そして、つっている筋肉を手で強く圧迫してから、筋肉のまわりを全体的にやさしくマッサージしましょう。

泳いでいるときなどに足がつると溺れてしまいかねません。一度起こすと癖になりやすいので、ウォームアップとクールダウンを十分に行うようにしてください。

足をくじいたり、ひねったりしたときの対処法は?

足をくじいたりひねったりして起こる捻挫(ねんざ)は、よくあるケガと軽く考えがちですが、実は靭帯を痛めている状態です。すぐにRICE(ライス)処置を行い、軽ければしばらく様子を見て、立てなかったり歩けない場合はできるだけ早く整形外科で受診しましょう。

RICE
安静(損傷部位の固定)、冷却(アイシングを繰り返す)、圧迫(弾性包帯やテーピングで軽く圧迫気味に固定)、挙上(捻挫した足を心臓より高く挙げる)の頭文字です。
軽い症状なら簡単な処置で短期間に治ることもありますが、応急処置に問題があると痛みや不安定感が残り手術が必要となることもあります。

バーベキューでやけどしたら?

熱湯や油などでやけどしてしまったら、やけどしたところをすぐに冷やすことがもっとも大切です。水道水で衣服の上からおおむね15~30分間冷やし、指先や脚の場合は1時間ほど冷やすことで、やけどの進行を止め痛みを押さえることができます。

慌てて衣服を脱がせると熱が作用し続けてやけどがより深くなったり、水疱が破れるなどして治るのに時間がかかってしまうので注意してください。

傷跡を最低限にするには、やけどした部位を冷やしながらなるべく早く皮膚科の診察を受けることが大切です。自己判断で軟膏や油薬をつけるとその後の治療に差し障りがでることがあるので、つけないようにしてください。

ハチやアブなどの虫に刺されたら?

ハチに刺されたら、刺さったままの針は指ではなくピンセットなどでそっと取り除き、流水で毒を薄めながら冷やして洗い、指で患部をつまむか市販の吸引器などを使って血とともに毒を絞りだします。毒は絶対に口で吸い出してはいけません。その後、市販の虫さされの薬を塗り保冷剤などで冷やし、できるだけ早く皮膚科の診察を受けましょう。

ブヨ(ブユ)に刺されたら、患部が熱をもっているときは冷やし、早目にかゆみ止めのステロイド軟膏などを塗って掻きむしらないようにします。

毛虫に刺されたら、しっかりと毒毛を洗い流し、毛が残っていたらガムテープなどで取り、患部を強くこすらずに石鹸で何度も洗い流して市販のかゆみ止めをつけます。

いずれもかゆみや腫れがひどい場合、痛みがある場合は皮膚科を受診してください。

おわりに:適切な応急処置を行ったうえで、状態を見て早目に整形外科や皮膚科で受診しよう

登山や川遊びでのケガややけど、虫さされなどのトラブルは、軽いものから命に関わるものまでさまざまです。いざというときに適切な応急処置が行われるかどうかが、その後の経過に影響します。また、応急処置後には、状態を見ながらケガなら整形外科、やけどや虫さされなら早目に皮膚科で受診するようにしましょう。

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