記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/7/11
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
暑い日が続くと、海辺で思いっきり遊びたくなりますよね。海水浴や海辺でのバーベキューなどを思いっきり楽しむうえで、海辺で起こりやすいトラブルの予防法や対処法を知っておくことは大切です。この記事では、主に海辺で起こりやすいトラブルとその対処法を紹介します。
まずは浮輪やロープなど、救助道具がないか確認します。溺れている人がパニックになっていたり、意識がない場合は、ロープをつけた浮輪などのほうが確実に救助できます。ロープだけを投げるときには、先におもりをつけると目指すところに飛ばしやすくなります。
飛び込んで助けるのは最終手段です。衣服を脱ぎ、抱きつかれて自分も溺れてしまうことがないよう必ず後方から近づき、あお向けにして頭を腕で抱えるようにして泳いで助けだします。
その後、意識や呼吸の有無を確認し、呼吸があれば顔を横向きにして寝かせ、なければ人工呼吸を、もし心臓が止まっていたらただちに心臓マッサージを行います。
一番大切なのは、とにかく海からあがることです。そのうえで、クラゲの触手が肌に残っている場合には、素手ではなくピンセットなどでそれを抜いてください。
その後は海水で刺されたところを刺胞を刺激しないようやさしく洗い流し、40℃以上に温めるか、冷たいペットボトルなどで冷やして痛みをやわらげてください。また、10~15分後にアナフィキラシーショックが起こる可能性があります。応急処置が済んだら医療機関で受診しましょう。
なお、傷口にお酢を使うとよい、という民間療法もありますが、刺されたクラゲの種類によっては逆効果になる場合があるので控えましょう。
まずは痛みがある程度治まるまで、冷たいシャワーを浴びるか水風呂に入るなどして冷やします。その後、日焼けした部分全体に濡れタオルを巻き、痛みが激しいところには保冷剤をくるんだ濡れタオルや氷水を入れたビニール袋をあてます。
痛みがひどい場合や水ぶくれができている場合は、皮膚科で受診してください。ある程度痛みが治まったらクリームで保湿・保護し、水を多めに飲みましょう。
しっかりと睡眠をとり、食事から栄養を、特にタイパク質、亜鉛、ビタミンC、ビタミンEを意識して摂るようにしてください。また、日焼けしてから1週間は皮を剥かないようにしたり、、新たに日焼けしたりしないように気をつけましょう。
熱中症で倒れた場合、いかに速く体温を下げられるかで救命の成否が決まります。風通しの良い日陰、できれば冷房のきいている場所へ避難させ、皮膚に水をかけたり、あおいだりして体を冷やすようにします。氷などがあれば袋に入れて脚の付け根やわきの下にあてるのも有効です。
日射病で倒れた場合は、すぐに涼しい場所に寝かせて衣服をゆるめ、水か食塩水を飲ませて冷やしすぎないようにして休ませます。死亡率の高い熱射病で倒れた場合は、ただちに救急車を呼び救急車が来るまで30℃くらいのぬるま湯をかけながら扇風機で冷やし、ときどき体温をチェックして冷やしすぎないようにします。
楽しいはずの海でのレジャーで発生する事故やケガ、病気などは、適切な応急処置が行われるかどうかでその後の経過が大きく変わります。救急車が到着するまで、あるいは病院で受診するまでの間にどうすればいいのか、いざというときのために正しい応急処置の知識を身につけましょう。