赤ちゃんの脳を鍛える~分離不安と手遊び~

2017/4/14

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

生まれてから寝てばかりだった赤ちゃんは、次第に目覚めている時間が増えてきます。赤ちゃんが起きているときに受けるいろいろな刺激は、赤ちゃんの脳を鍛えていきます。ここでは、赤ちゃんの脳を鍛える遊びを紹介します。

だれでも大好き「いないいないばあ」

みなさんよくご存知の「いないいないばあ」・・・手や物で顔を隠し、「いないいないばあ!」と言って顔をみせると、赤ちゃんはにっこりと笑い返すでしょう。その後、何度も繰り返せば、きっと赤ちゃんはますます夢中になるでしょう。

「いないいないばあ」は簡単で、単純な遊びと思えるかもしれませんが、赤ちゃんにとってこの遊びはとても重要な意味があるのです。シンプルな遊びなのに、赤ちゃんの月齢を問わず人気があるのには理由があります。かくれんぼやびっくり箱などと同じように、赤ちゃんにワクワク感とともに認知能力(物の永続性)を養ってくれます。

「物の永続性」とは、たとえ見えなくてもその物が存在することを学ぶことです。つまり、物は永遠に消えるわけではないことを知るのです。これを理解することで、赤ちゃんは抽象的な思考や記憶といった重要かつ新たな認知能力を身につけていきます。

物の永続性のデメリットは「分離不安」です。赤ちゃんは、あなたが見えなくてもどこかにいることがもうわかっています。つまり、自分と一緒にいないことを理解しているのです。

ここで赤ちゃんは思います・・・「泣き叫んだら、ママは戻ってくるだろう」と。

分離不安が始まると、お母さんも赤ちゃんもつらくなるかもしれませんが、心配しないでください。

分離不安は、発達の段階です。そして、なくなったものは永遠になくなるわけではないという物の永続性を鍛えていきます。
行方不明のおもちゃ、行方不明のママ…最後はちゃんと戻ってきます!

おもちゃと手遊び

ガラガラ

赤ちゃんが最初に手にするおもちゃといったら、それは「ガラガラ」でしょう。ガラガラを持たせると、赤ちゃんはそれを落とします。お母さんが拾って渡すとキャッキャッと喜んではまた落とし、何度もこれを繰り返します。これも、物の永続性がもたらす赤ちゃんの脳にとって重要なスキルなのです。

手遊び

1歳ころにはほとんどの赤ちゃんが自分の興味のあるものを「指をさす」ことができるようになります。この「手を振る」「指をさす」という動作は、赤ちゃんの脳にとってとても重要なことなのです。

指をさすことで、赤ちゃんはこう伝えようとしているのです。
「私が見ているものをママにも見てほしいな!」

これは「注意共有」と呼ばれる赤ちゃんの発達の重要な段階です。赤ちゃんは、自分がやりたいこと、ほしいもの、覚えているもの、そしてもうそこにはいないものを示すために「指さし」をします。このため、一度木の上にリスがいるのを見たら、リスがいなくなっても木を指さし続けるなどといったことが起こります。

赤ちゃんが「手を振る」という動きをするようになると、手を使った遊びを好むようなります。赤ちゃんが好む手遊びには「むすんでひらいて」「ずいずいずっころばし」などがあります。

おわりに:手遊びは赤ちゃんの脳を鍛える

赤ちゃんは、「いないいないばあ」などの手遊びを楽しめるようになると、次第にお母さんが自分にとって重要な人物であることに気づき始めます。それをわかることで、分離不安につながります。赤ちゃんがあなたの姿を確認できなくなっても、お母さんはどこかにいること知っているのです。お母さんがトイレにいっただけで大泣きするのは、赤ちゃんが正常な脳の発達を遂げている証拠です。泣かれるのはつらいでしょうが、一時がまんしてください。そして、赤ちゃんの成長を喜びましょう!

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