プリン代謝拮抗薬の特徴と、起こり得る副作用について

2019/6/18

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

プリン代謝拮抗薬は、主にがん治療に使用される薬のひとつです。今回はプリン代謝拮抗薬の種類や副作用などをご紹介します。

プリン代謝拮抗薬とは

がん細胞は、正常な細胞から発生した細胞の塊です。正常な細胞であれば、ケガをした場合に細胞が増殖して傷口を塞ぎ、傷が治れば増殖を止めるなど、必要以上に細胞が増殖することはないと考えられています。しかしがん細胞の場合、体からの指示を無視して増殖し続けたり、転移したりします。勝手に増えるため、周りにある細胞が壊れるなど、正常な細胞にも影響を及ぼします。

ところで、この細胞の増殖にはDNAの複製が必要ですが、DNAを構成する塩基にはプリン塩基とピリミジン塩基があります。プリン代謝拮抗薬とは、このプリン塩基と同じような構造をしており、DNAを合成する過程でプリン塩基の代わりに取り込まれ、抗腫瘍効果をもたらします

主なプリン代謝拮抗薬は?

主なプリン代謝拮抗薬として、以下のようなものが挙げられます。

フルダラビンリン酸エステル(商品名:フルダラ®)

腫瘍細胞に取り込まれ、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼなど、DNAやRNAの合成の際に必要となる酵素を阻害することによって抗腫瘍効果をもたらします。主に難治性の急性骨髄性白血病や、慢性リンパ性白血病などに使用されます。

ネララビン(商品名:アラノンジー®)

腫瘍細胞のDNAに取り込まれ、DNA合成を停止させて抗腫瘍効果をもたらします。主にT細胞性リンパ芽球性リンパ腫、再発または難治性のT細胞性急性リンパ芽球性白血病などに使用されます。

プリン代謝拮抗薬で起こり得る副作用は?

主な副作用には、消化器症状として下痢、食欲不振、嘔吐、吐き気など、皮膚症状には紅斑や発疹などがみられることがあります。また血小板減少、白血球減少、汎血球減少、無顆粒球症などがみられることがあり、重篤な感染症である肺炎や敗血症などが表れることがあります。手足に点状出血、のどの痛み、寒気、突然の高熱などがみられた場合には、すぐに医師や薬剤師へ相談しましょう。

おわりに:プリン塩基の代わりに細胞に取り込まれ、細胞増殖を阻害する薬です

プリン代謝拮抗薬はDNA合成に必要なプリン塩基の代わりを果たす薬で、抗腫瘍効果が期待できます。主に白血病の治療で使われることが多い薬です。治療中に下痢や吐き気、発疹といった副作用がみられることもありますので、気になる症状がみられたらかかりつけの医師に相談しましょう。

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