減塩すると、体にどんなメリットがあるの?

2019/5/25

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

減塩が高血圧の改善に良いのはご存知の方も多いと思います。しかし、動脈硬化や脳卒中、腎臓疾患などの予防にも効果的なのは意外に知られていません。今回は減塩がもたらすメリットと、塩分を取りすぎるデメリット、そして減塩のコツをご紹介します。

減塩すると得られる効果は?

減塩のメリットはいろいろありますが、その中でも以下の2つが大きなものです。

高血圧が改善される

塩にはナトリウムが多く含まれています。実は、塩分を多く摂取すると血液中のナトリウムが増加します。人間の体はナトリウムの濃度を薄め、血液を一定濃度にするために、血液内の水分を増やして調整します。その結果、血液量が増え、血管の壁に圧力がかかって血圧が上昇します。加えて、ナトリウムは交感神経を刺激するため、血管が収縮し、さらに血圧が上がってしまうことにもなります。つまり、減塩でナトリウムを減らすことは、高血圧の改善に役立っていくのです。

むくみが減る

人体は血液内の塩分濃度を水分で調整していることをご説明しましたが、塩分を過剰に取り続けると、水分を体内にため込むようになります。それが原因で「むくみ」が起こり、中には「夜になると足がパンパンになって、朝から履いていた靴が、小さく感じる」という方もいらっしゃいます。そういった方も、減塩を続ければむくみが徐々に取れてくるでしょう。

減塩しないでいるとどうなる?

それでは、減塩しないでいると、どんな病気を招く恐れがあるのでしょうか。

塩分過多によって発症率が上がる病気

  • 高血圧
  • 動脈硬化
  • 心筋梗塞
  • 心肥大
  • 脳梗塞
  • 脳卒中
  • 腎臓疾患 など

高血圧は動脈硬化の原因のひとつと言われていますし、動脈硬化は心筋梗塞などの循環器病や、脳梗塞などの脳の病気を引き起こしかねません。

また、塩分の取りすぎは高血圧の影響を受けやすい腎臓に負担をかけます。腎結石や腎不全といった腎臓疾患を起こす危険性があるので注意が必要です。

さらに、高血圧に「内臓脂肪型肥満」に「脂質異常症」が重なると、メタボリックシンドローム(メタボ)になる危険性も高まります。

減塩のコツは?

「減塩が体に良いと分かっていても、なかなか続かない」という方も多いです。ここでは、減塩のコツをご紹介します。

塩分の多い食品を減らす

  • ハム
  • ベーコン
  • カマボコ
  • ちくわ  など

肉の加工食品や練り物などは、もともと塩分量が高いです。食べる頻度が高い方は、少し減らしてみるとよいでしょう。

レトルト食品や市販のルー

  • レトルトカレー
  • レトルトの中華丼、ミートソースなど
  • 市販のカレールー  など

レトルト食品は便利ですが、塩分多めです。また、市販のカレールーも塩分量が高めですので、食べる頻度を減らしましょう。

調味料や顆粒だしなど

  • 顆粒中華だし
  • 味付きのポン酢
  • すし酢  など

顆粒中華だしは意外に塩分が多いので、使用量を減らしましょう。漬物などに醤油をかけてしまう方も少しずつ減らし、素材の味を楽しむようにしてください。

また、「醤油よりポン酢の方がヘルシー」というイメージを持っている人が多いですが、塩分量で考えると、醤油をポン酢に変えても減塩効果はあまり期待できません。穀物酢なら食塩が0gのものがあります。成分表などを確認して利用しましょう。

パン食を減らす

パン類は塩分が意外に多いです。茹でた中華めんやうどん100gには0.2~0.5gの塩分が含まれているのに対し、食パンには100gで約1.3g含まれています。「パンが簡単なので、毎日朝昼はパンを食べている」という方は注意が必要です。

ナトリウム含有量の低い塩を使う

最近は「減塩塩(げんえんしお)」の種類が増えています。カリウムの量を増やし、ナトリウム量を減らしている調整塩や、酸味やうま味で満足度を補う塩、海藻を利用し、うま味で塩分を補う塩など色々ありますので、活用してみると良いでしょう。

ただし、病気でカリウムが過剰摂取できない方などは医師に相談してから利用すべきですし、減塩塩といっても、大量に使えば意味がありません。

やはり、徐々に薄味に慣れていくことが大切です。外食や中食(総菜やお弁当などを買ってきて食べること)も塩分が多いので、外食や中食を減らしましょう。

おわりに:減塩生活で高血圧などの怖い病気を防ぎましょう

塩分過多は重大な病気を引き起こしかねないことが分かりました。長く、健康で生きるためにも、日ごろから減塩を心がけることが大切です。少しずつ減らしていくだけでも、血圧などに良い影響が出てきます。長い目で減塩生活に取り組んでみてください。

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