記事監修医師
東京大学医学部卒 呼吸器内科医
山本 康博 先生
2019/5/29
記事監修医師
東京大学医学部卒 呼吸器内科医
山本 康博 先生
肩こりや頭痛、便秘といった症状が続いたり、気分が晴れない状態が続くとき、なにかしらの病気のサインになっている可能性もありますが、ストレスが原因となっていることもあります。この記事では、ストレスが原因であらわれる症状にはどのようなものがあるかや、その対処法を紹介します。
私たちが生活していく中では、多かれ少なかれ心身にストレスがかかっています。これらの負担が慢性化していくと、心はもちろん、身体的な疾患にもつながることがあります。
ストレスと関連があると思われる疾患は多岐にわたります。主な症状として、以下のようなものがあります。
そのほか、メニエール病や肥満症、糖尿病、慢性関節リウマチや腰痛症、顎関節症、夜尿症や心因性インポテンス、筋収縮性頭痛、痙性斜頚、書痙なども挙げられます。
このようなさまざまな症状がありますが、すべての原因がストレスによるものというわけではありません。生活習慣や体質、そのほかの原因などももちろん考えられます。疾患の発症や経過にストレスが本当に関係しているのかどうかを、しっかり見極める必要があります。
私たちにストレスを与えている外部的要因をストレッサーと呼びます。日常生活の中にはさまざまなストレッサーがあり、私たちの体はストレッサーによる悪影響を緩和するために、ストレスコーピングと呼ばれるストレス対処をします。これらが上手くいっている場合、ストレス反応はしだいに収まっていきます。
しかし、ストレッサーが長く続いたり、ストレスコーピングの対処能力を上回るほどの負荷がかかったりすると、ストレス反応は次第に慢性化し、イライラや不安感が生まれてきます。そして、この状態が長く続くうちに自分では心身をコントロールできないうつ状態につながり、さまざまな病気の引き金になってしまうのです。
心身に大きな影響を与えるストレスにどのように対処してばよいのか、ストレス反応を和らげるための対処法、その一例をご紹介します。
好きな運動をしてみたり、ジムに行って体を動かしたりしてストレスを発散することは有効な方法のひとつです。特に激しい運動でなく、散歩などでも十分です。精神的な疲れを肉体的な疲れに置き換え、たっぷりと休息をとることで、心身を回復させることができます。
映画を観たり、何かを作ったり、自分の趣味がある人は生活の中に積極的に取り入れて気分転換をしましょう。仲の良い友達と話したり、何か美味しいものを食べに行ったりと、自分に取って心地いいこと、楽しいことをしてみてください。
ストレス反応を和らげるには、心身の緊張感を取り除いてあげることが重要です。好きなアロマの香りを嗅いだり、リラックスできる音楽を流したり、お茶を飲んだりと、ちょっとした隙間の時間にできるリラックス法もあります。深呼吸やストレッチなど体のリラックスも重要です。
ストレスを溜めていると、考え方も凝り固まりがちになり、嫌なことばかり思い出してしまうこともあります。まわりの景色や音、他の人の様子などに意識を向けてみたり、楽しかった出来事を主出してみたりと、自分の意識をほかのことに向けることも大切です。また、相手の立場になって考えることで、視点を変えるのもよいでしょう。
ストレスが溜まりすぎると、体にもさまざまな反応がでてきます。代表的なものをいくつかご紹介します。
このような反応が見られたときは、ストレスが溜まっていることを自覚して、先ほど紹介したような対処法を取り入れてみましょう。
私たちが生活していく中では、多かれ少なかれ心身にストレスがかかっています。これらの負担が慢性化していくと、心はもちろん身体的な疾患にもつながることがあるのです。ストレスを溜めているかどうかは、体の反応からも知ることができます。「今、自分はストレスが溜まっている」と思ったら、効果的な対処法を見つけていくことがとても重要です。体を動かしたり、趣味を楽しんだり、リラックスする習慣を取り入れたりしてみましょう。