水ぼうそうになると、どんな症状が出てくるの?

2019/5/24

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

水ぼうそうは、子供の病気として非常に有名な感染症です。たいていの人が子供の頃に一度感染していて、しかも一度感染して発症すると、ほとんどの場合二度と発症しないことがわかっています。

では、具体的に水ぼうそうになるとどんな症状が出てくるのでしょうか?また、大人になってから水ぼうそうを発症した場合はどんな症状が出てくるのでしょうか?

水ぼうそうってどんな病気?

水ぼうそうとは水痘(すいとう)とも呼ばれ、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)に初めて感染したときに発症する急性の感染症です。麻疹(はしか)と並んで感染力が非常に強いウイルスで、免疫がない状態では感染後、2週間程度の潜伏期間を経てかゆみのある特徴的な発疹を初め、諸症状を発症します

水ぼうそうは一度かかると免疫ができ、再度発症することはありません。しかし、ウイルスが体内から消えるわけではなく、症状を発症しないまま体内に残っているため、免疫力が低下したときなどに活動を再開し、帯状疱疹などの症状を引き起こすことがあります。特に免疫力が継続して低下しやすい高齢者には、帯状疱疹ワクチンを利用してその後の発症を抑えることができます。

また、2014年10月からは水ぼうそうのワクチンが定期接種の一つになり、1歳児・2歳児は公費で接種できるようになったため、水ぼうそうを発症する児童の数は減っています。従来は生涯に1回の接種で終生免疫が獲得できると考えられていましたが、特に先進国では近年、1回接種では免疫が持続しにくいことがわかってきたため、2回接種が推奨されています。

水ぼうそうの感染経路って?

水ぼうそうは感染力が非常に強いため、その感染経路も空気感染・飛沫感染・接触感染と幅広く存在します。ウイルスは鼻や口から吸い込まれて上気道に侵入し、血液に侵入すると全身にめぐり、2週間程度の潜伏期間の後に発症します。

水ぼうそうの患者さんと同じ部屋にいた場合(家庭、幼稚園、学校など)、どんなに短い時間でも感染している可能性があります。さらに、ろ過マスクや空気清浄機があっても水ぼうそうウイルスの感染予防には効果がないことがわかっています。そのため、ワクチンをあらかじめ摂取しておくことが非常に大切なのです。

水ぼうそうになるとみられる症状は?

水ぼうそうの症状は、子供と大人で少し異なります。

子供の水ぼうそうの症状

子供の水ぼうそうでは、以下のような症状が現れます。

  • かゆみのある赤い発疹
  • 発熱
  • 頭痛

水ぼうそうに特徴的なかゆみのある赤い発疹は、たいてい発熱と同時に現れ、胸や腹部を中心に頭皮や目、口の中の粘膜に至るまで全身のあらゆる皮膚に広がります。最初の見た目は2~3mmの赤いブツブツですが、次第に水ぶくれとなり、さらに中心に膿のある膿疱になってかさぶたへと変化していきます。場所によって進行度合いが異なるため、一斉に変化していくわけではありません。

水ぼうそうは1~4歳ごろが最もかかりやすく、ほとんどの小児は9歳ごろまでに発症します。水ぶくれの状態が最も感染力が強く、学校保健法では感染の恐れがなくなるまで出席停止の扱いとなります。感染力は強いですが、免疫機能が正常な小児であれば重症に至ることはほとんどなく、皮膚と口内の粘膜の発疹と発熱で終わります。かさぶたになる頃には、感染力はほとんどなくなります。

大人の水ぼうそうの症状

大人の水ぼうそうでは、以下のような症状が現れます。

  • 全身倦怠感
  • ニキビ
  • 発熱
  • 水ぶくれ
  • 食欲減退
  • 頭痛

大人の水ぼうそうでは、発熱よりも全身倦怠感やニキビなど、水ぼうそうとすぐに気づかないような症状からスタートすることが多いです。これらの症状の後に、発熱と水ぶくれが発生します。水ぶくれも子供とは異なり、かゆみよりも痛みが強いのが大きな特徴です。さらに、肺炎や肝炎などを合併して重症化しやすいのも大人の水ぼうそうのやっかいな特徴です。

また、妊娠中の女性が発症した場合、ウイルスが血中をめぐって胎児にも感染する場合があります。胎児に感染すると皮膚に痕が残ったり、先天異常や低出生体重、失明などの原因となる危険性があります。妊娠中は特に感染しないようしっかり予防する必要があります。

どんな治療で水ぼうそうを治療するの?

水ぼうそうの治療は、通常、症状を軽減するだけの対処療法が行われます。これは、体の免疫機能が正常であればウイルスを抑えることができるためで、「皮膚に湿布を当てる」「抗ヒスタミン剤を使う」「軟膏を塗る」などでかゆみを和らげるとともに、皮膚を傷つけないよう爪を短めに切っておくこと、細菌感染症を合併しないために爪や手を清潔にしておくことも大切です。

特に、小児や妊婦では重症化しない限り対処療法だけを行います。しかし、青年以降から成人の場合は症状が重症化することが多いため、「アシクロビル」「パラシクロビル」などの抗ウイルス剤を発症後24時間以内に投与します。24時間を過ぎると、これらの薬剤は効果がなくなりますので、発症したらできるだけ早く医療機関を受診しましょう。

治療中に気をつけることは?

水ぼうそうの治療中は、以下の3つのポイントに気をつけましょう。

  • 水ぶくれを引っかかない
  • 消化の良いものを食べる
  • 病院で診察を受ける

水ぼうそうそのものは、特に小児であればそれほど重症化することのない疾患ですが、水ぶくれをかきむしってしまうと痕が残ったり、傷口から細菌が侵入して二次感染を引き起こして重症化したりする場合があるため注意が必要です。爪を短く切る、こまめに手洗いして清潔を保つなどしておきましょう。また、水ぶくれを温めるとかゆみが増すため、お風呂はぬるめにしておくのがおすすめです。

水ぼうそうを発症している間は免疫機能がウイルス対策に活発に活動しているため、できるだけ胃腸に負担のない消化の良いものを食べるとよいでしょう。口の中に水ぶくれができてしまった場合は、特に柔らかく飲み込みやすいものを食べましょう。

水ぼうそうは安静とひっかき傷に気をつければ、基本的に小児では自然に治る病気ですから、診療時間内に一度診察を受けておけばそれほど心配は要りません。しかし、1歳以下の乳児や白血病などで免疫力が低下している場合、成人で水ぼうそうを発症した場合は重症化しやすいため、できるだけ早く内科や皮膚科で診察を受けましょう。

おわりに:水ぼうそうは赤い発疹が特徴。小児はかゆみ、成人は痛みが出る

水ぼうそうは、2〜3mmの赤い発疹が大量に現れることが特徴です。やがて水ぶくれになり、中心部に膿のある膿疱へ、かさぶたへと変化していきます。小児では強いかゆみが特徴ですが、成人で発症した場合は痛みが強いです。

小児の場合は対処療法で免疫機能に任せて自然治癒を待つことがほとんどですが、成人の場合は重症化しやすいため抗ウイルス剤の投与が行われます。成人がかかった場合、できるだけ早く診察を受けましょう。

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