記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/6/7
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
神経症は、突然、もしくはたびたび痛みやしびれといった症状を引き起こす症状です。この記事では、神経痛の症状の特徴や痛みが出てきたときの対処法を紹介します。
「神経痛」とは、発作的あるいは反復的にあらわれる痛みやしびれなどの症状をあらわすもので、病名ではありません。ただし、多くの神経痛には痛みを引き起こす原因となる病気があります。
神経系は体内の情報伝達を行う組織で、脳と脊髄からなる中枢神経と、そこから手足や内臓、皮ふなど体の各方面に網の目のように張り巡らされた末梢神経とに分類されます。末梢神経はさらに、血圧・体温、臓器の働きを調整する自律神経、全身の筋肉を動かす運動神経、痛みや触感などを伝える感覚神経(知覚神経)に分けられ、中枢神経に情報を送ったり受け取ったりしています。そのうちの感覚神経がなんらかの原因で刺激を受け、末梢神経の経路に沿って痛みが生じるのが、神経痛です。神経痛には、原因がはっきりしている「症候性神経痛」と、原因不明の「特発性神経痛」の2種類があります。
神経痛は痛みが起こる場所によって名前がつけられ、主にお尻からふくらはぎにかけて後面が痛む「坐骨神経痛」、背中から胸にかけて痛む「肋間神経痛」、顔面が痛む「三叉(さんさ)神経痛」があり、そのほか、帯状疱疹後神経痛などがあります。多くは症候性神経痛ですが、原因不明の特発性神経痛も少なくありません。
坐骨神経痛の原因のほとんどは腰椎椎間板ヘルニアで、まれに変形性腰椎症や腰部脊柱管狭窄症の場合もあり、体を動かしたときに鋭く電気が走ったような痛みを起こします。肋間神経痛は、体の歪みや椎間板ヘルニア、骨折のほか、ウイルス感染や骨粗しょう症、なんらかの内臓疾患が原因である場合があり、突然鋭い痛みが走り、大声を出したり深呼吸したりするとひどくなります。三叉神経痛は、疲れやストレスによる自律神経の乱れが関係しているといわれますが、原因が不明なことが多く、まれに脳腫瘍や脳動脈瘤の異常からくる場合もあります。
症候性では、原因疾患の治療を行いながらに痛みをとっていきますが、特発性では始めから痛みそのものを取り除く治療が行われます。
軽い神経痛であれば、一般に鎮痛剤とよばれる成分の入ったOTC医薬品(市販薬)を薬剤師や販売登録者に相談するなどして利用するのも良いでしょう。痛みがひどい場合は安静にして、坐骨神経痛であればまげた膝の間にクッションなどを挟み腰に負担をかけない姿勢で横になる、肋間神経痛の場合は上半身を90度に起こして前かがみの姿勢で枕や重ねたクッションなどに寄りかかるなど、楽な姿勢をとって休みましょう。ただし、痛みが続くようであれば別の病気が隠れている可能性があります。早めに医療機関で専門医にみてもらい、原因を確定して適切な治療を受けるようにしましょう。
神経痛とは、発作的あるいは反復的にあらわれる痛みやしびれなどの症状をあらわすものです。原因がはっきりしている症候性神経痛と、原因不明の特発性神経痛があり、痛みが繰り返されたり続く場合は重い病気が隠れている可能性があるので早めに専門医に受診しましょう。