記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/6/11
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ストレスは粘り強く頑張りたいときの力になってくれることもあれば、心身をむしばむ原因になることもあります。この記事では、ストレスが発生する仕組みを紹介するとともに、ストレスが引き起こすさまざまな症状や病気についても解説します。
今ではあたりまえのように使われている「ストレス」ということばは、もともとは物理学で使われていた用語です。カナダ人の生理学者によって、生物の反応にも当てはめて使われるようになり、外部からの刺激が負荷をかけることで、身体の内部に生じる反応のことを指しています。さらに細かく分けると、ストレスの原因となるものをストレッサーと呼び、ストレッサーによって引き起こされる反応をストレス反応と呼びます。
暑さや寒さといった気候の変化や、騒音、化学物質、におい、光などさまざまなものがストレッサーになります。しかし、人によって起こるストレス反応はさまざまです。
人間にはストレスがかかっても、脳内伝達物質であるアドレナリンを分泌したり、抗ストレスホルモンを分泌したりすることで、ある程度の抵抗する力があります。しかし、ストレッサーへの根本的な対処ができなければ、長く抵抗を続けることは難しく、無理をしすぎることで、さまざまな病気につながってしまうこともあります。
ストレス反応は、身体的なものや精神的なもの、行動的なものがあります。
ストレスで、何らかの身体的、精神的な症状が起こるだけではなく、診断名がつくような病気につながることもあります。ストレスが原因となる可能性がある病気は、次のようなものがあります。
脳の機能障害が起きている状態で、意欲の減退や思考力の低下、睡眠障害、食欲の低下といった症状や、否定的な思考が強くなります。日常生活や社会生活に支障をきたすことがあります。
帯状疱疹は、過去に感染した水ぼうそうウイルスが原因となって、神経にそってチクチクとした痛みや水ぶくれ、発疹をともなう病気です。疲れや睡眠不足、悪性腫瘍や重症な感染症のほか、さまざまなストレスも要因と考えられています。
不安が強くなることで、呼吸が浅く早くなり、呼吸困難や動悸、胸の圧迫感、手や口のしびれなどが生じます。
胃酸は消化に必要ですが、ストレスによって過剰に分泌されれば胃そのものを傷つけてしまうことがあります。胃に炎症を起こして胃痛が起きたり、ウイルスや細菌に感染しやすくなって激しい下痢、嘔吐が起きたりすることもあります。
自律神経は、交感神経と副交感神経がバランスをとりながら、心臓や肺、消化器官など人間の身体を動かす大切な器官をコントロールし、心身を整えています。自律神経のはたらきには、ストレスと関係しているとされています。他に疾患がないにもかかわらず、だるさや頭痛などが生じているときには、自律神経失調症が疑われることがあります。
ある日突然、聴力が低下する病気です。はっきりとした原因は不明ではあるものの、背景にストレスを抱えていることが多いため、何らかの因果関係があるのではないかと考えられています。
ストレスは、原因となる何らかのことがらが負担となり、からだの中で変化をもたらすことです。原因はさまざまなものがあり、起こるストレス反応も人それぞれです。精神的な反応や身体的な反応、行動面であらわれる反応があります。過剰なストレスが続くと、さまざまな病気につながることがあります。困ったときや悩んでいるときは、早めに専門医に相談しましょう。