睡眠の「質」とは?どうすれば睡眠の質があがるの?

2019/6/18

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

「質のよい睡眠」という言葉を聞いたとき、どのようなことを思い浮かべますか?なんとなく、睡眠時間の長さを思い浮かべがちですが、そのほかにも重要なポイントがあります。この記事では、質のよい睡眠がどのような状態を指すのかを紹介するとともに、質のよい睡眠をとるためにどんなことをすればよいかもご紹介します。

「質のよい睡眠」とは

毎日の生活の中で「質のよい睡眠」を意識している人はあまり多くないかもしれません。しかし、睡眠の「質」がよければ、すっきりとした目覚めとともに、時間にも気持ちにも余裕をもって日常の仕事や生活を送ることができます。「質のよい睡眠」とは、身体、心、脳がしっかり休息できる睡眠なのです。

睡眠の「質」に大きな影響を与えているもののひとつが、睡眠の深さです。睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があります。

レム睡眠
いわゆる浅い眠りで、体は眠っているものの、脳は起きている状態です。このため、レム睡眠のときに起きると、気持ちよく目覚めることができます。
ノンレム睡眠
深い眠りで、体も脳も眠っています。このため、ノンレム睡眠のときに目が覚めても、すぐに覚醒することができません。

私たちは、眠っている間、このノンレム睡眠からレム睡眠を行ったり来たりしています。浅い眠りから深い眠りに入るまでの4つの段階を経て、大脳を効率よく休ませているのです。ノンレム睡眠からレム睡眠の終わりまでは約90分あり、この周期を4~5回繰り返しています。朝が近づくと徐々にレム睡眠の割合が増えていき、目覚めへと至るのです。この体のメカニズムに沿った睡眠こそが、気持ちよく目覚められる「質のよい睡眠」だといえるでしょう。

睡眠の質をあげるためにできることは?

睡眠の「質」の向上に大きな影響を与えているのが、人間の「体内時計」です。1日は24時間で区切られていますが、私たちの体内時計はこの区切りの時間通りに動いているわけではありません。最新の研究では、体内時計において、1日は24時間11分だといわれているのです。11分程度のズレであれば、何の問題もないように思えますが、これが6日続けば1時間以上(66分)のズレ、1か月続けば5時間以上(330分)のズレになる計算です。これらの微妙なズレを、生活の中でリセットしていく必要があります。

体内時計をリセットするために大切なのは、太陽の光を浴びて朝食をとることです。これによって、体内時計が起きたことを認識し、目覚めることができます。

さらに、夜眠る前の習慣にも、いくつかポイントがあります。食事は、布団に入る3時間以上前に、なるべく体を温めるようなものをとるとよいでしょう。40℃ぐらいのぬるめのお湯にゆっくりとつかり、リラックスすることも大切です。寝る2時間以上前の軽い運動と、お風呂あがりのストレッチもおすすめです。これらの行動で温まった体温が下がっていくとき、気持ちよく眠りに入ることができます。

睡眠の質をあげるグッズはある?

睡眠の「質」を上げるためには、寝具などのグッズも重要です。自分に合った枕やマットレスなどを使い、眠りやすい姿勢をつくれるかどうかが、睡眠の質に大きな影響を与えます。たとえば、枕が合わなくて顎が上がってしまうと、口呼吸やいびきの原因となって快適な眠りを妨げる可能性もあるでしょう。

次に、パジャマです。寒いときはどうしても厚着をして眠りたくなりますが、寝返りが打ちづらくなることがあります。さらに、冷え性の人は靴下を重ね履きして眠りたくなるかもしれませんが、血流が滞るためよくありません。汗をしっかりと吸ってくれる薄手のパジャマを用意しましょう。

さらに、眠る前に心身をリラックスした状態にもっていくことも、とても大切です。リラックス効果のある好きなアロマの香りをかいだり、ゆったりとした音楽を流したりしてみるとよいでしょう。「これをすると落ち着く」と自分で思える習慣を、あえて作ることをおすすめします。

おわりに:睡眠の「質」を高めて、ぐっすり眠ってすっきり目覚めましょう

質の良い睡眠をとることができれば、体、心、脳をしっかりと休め、朝からすっきりとした気分で1日をスタートすることができます。朝起きてすぐに太陽光を浴びて食事をとる、眠る前の数時間前から気持ちよく眠りに入るための行動を心がけるなどの対策で、睡眠の「質」を高めていきましょう。

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