神経痛の痛みを和らげる市販薬にはどんなものがあるの?
2019/6/15
突然襲ってくる激しい痛みは、神経痛かもしれません。神経痛の症状を緩和する方法は薬の使用が一般的ですが、病院で処方される治療薬のほか、神経痛に作用する市販薬も発売されています。この記事では、神経痛で使用される薬の種類と作用などについて紹介します。
神経痛になるのはどうして?
神経痛とは、末梢神経が圧迫されたり刺激を受けたりすることで発生する痛みの総称です。三叉神経痛、肋間神経痛、坐骨神経痛は代表的な神経痛です。激しい鋭い痛みやしびれが突発的にあらわれ、症状が治まっても繰り返し発生します。
神経痛は病気やケガによって引き起こされるものがありますが、はっきりとした原因が分からないケースが多いといえます。神経痛を引き起こす病気には、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、手根管症候群、帯状疱疹、腫瘍などがあります。
病気のほか、神経痛を引き起こす原因ではないかと考えられるものを以下に紹介します。
- ストレス
- ストレスは痛みを感じやすくさせ、神経痛を引き起こしたり悪化させたりする可能性があります。
- 体の冷え
- 体の冷えは血流を滞らせ、痛みを感じやすくさせる可能性があります。
- 加齢
- 加齢に伴い腰部の脊柱管や靭帯周辺の神経が圧迫され、神経痛が発生することがあります。
- 長時間の同じ姿勢
- 腰を曲げる姿勢を長時間していると椎間板に負担がかかり、末梢神経を圧迫します。デスクワーク、自動車の運転、腰に負担のかかるスポーツをするときは注意してください。
痛みを抑えるために使える市販薬は?
症状が強い場合は病院の受診をおすすめしますが、症状が軽いときや、すぐに病院へ行くのが難しい場合は、市販薬で対処することもできます。以下に、一般的な市販薬の作用と主な成分をご紹介しますが、どの薬を使うか悩んだときは、薬局の薬剤師に相談しましょう。
神経痛の市販薬
- 非ステロイド性炎症薬(NSAIDs)
- 作用:痛みを和らげる、痛みや熱の原因物質を抑制する
成分:ロキソプロフェンナトリウム水和物、イブプロフェン、アスピリン(アセチルサリチル酸) - 非ピリン系解熱鎮痛薬
- 作用:血管の拡張して熱を放散させる、痛みの感受性を低下させる
成分:アセトアミノフェン
病院で処方される薬にはどんなものがある?
病院を受診し、神経痛と診断された場合は薬物療法が始まります。症状や原因となる病気などを総合的に判断して、処方する薬が決まります。以下に、病院で処方される薬をご紹介します。
- アセトアミノフェン
- 解熱鎮痛薬で、世界的に広く使用されています。
- 神経障害性疼痛治療薬
- 痛みを伝える神経伝達物質の過剰な放出を抑え、痛みを和らげます。
- 抗うつ薬(TCA・SNRI)
- 神経伝達物質が細胞に取り込まれるのを阻害し、痛みを鎮静させます。
- オピオイド
- 医療用麻薬で、強い鎮痛作用を持ちます。脊髄から脳へ痛みが伝達されるのを阻害します。ほかの薬物治療でも強い痛みが治まらない場合に使用が検討されます。
痛みを予防することはできる?
市販薬や薬物療法での治療のほか、自分でできるセルフケアを取り入れて神経痛の再発を予防することも肝心です。
- ストレスと上手く付き合う
- ストレスをためずに解消するようにしましょう。気分がふさぎこんだり、抑うつ状態になると痛みやしびれが悪化する傾向があるといわれています。ストレスをなくすことは難しいですが、歌を唄う、スポーツをするなどでストレスをこまめに発散・解消してください。
- 冷え対策
- 気温の低い日や風の強い日は防寒をしっかりするようにしましょう。夏はエアコンが強く効いていることがありますので、ひざ掛けなどを準備しておくと安心です。入浴や運動の習慣で代謝アップを目指すのもおすすめです。
- 正しい姿勢
- 腰や膝などの関節に負担をかけると神経が圧迫されます。姿勢が悪いと関節に負担がかかりがちですので、正しい姿勢を心がけてください。丸まっている背筋を伸ばすなど、自分の体の癖を知って直しましょう。また、体のサイズに合った机や椅子を使ってください。
おわりに:治療や痛みの緩和は、セルフケアも取り入れつつ薬で対処しましょう
神経痛の激しい痛みには薬が効果的です。病院で処方される薬のほか市販薬も発売されていますので、医師や薬剤師に相談のうえ薬を選択すると安心です。さらに日常生活でできるセルフケアも取り入れて再発予防をしていきましょう。