記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/6/11
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
睡眠不足は体や肌の不調を引き起こすだけでなく、会議中の大あくび、集中力の低下などトラブルを招くことも。元気が出なくて気分も憂うつになりがちです。質のよい睡眠ですっきり元気な一日を過ごすために注目したいのが、メラトニンというホルモンです。この記事では睡眠と深い関係にあるメラトニンの分泌について紹介します。
メラトニンは「睡眠ホルモン」とも呼ばれる体内物質です。体内時計に働きかけて、自然な睡眠へ導いてくれます。メラトニンは脳の松果体(しょうかたい)から分泌され、体を覚醒から睡眠へ状態を切り替える助けをします。
メラトニンの分泌には光の影響が強く働いています。光はメラトニンを抑制し、体を覚醒させます。光の影響でメラトニンの分泌が乱れると、睡眠のリズムが乱れて寝不足などを引き起こすのです。
メラトニンは通常、夜を迎えると分泌量が少しずつ上昇しはじめ、夜中にピークを迎えます。メラトニンを多く分泌するためには、セロトニンというホルモンが必要です。
このふたつのホルモンが正常に分泌されると、質のよい眠りにつくことができます。昼は光を浴びてセロトニンを分泌させ、夜は眠の3時間前には部屋を暗くするなどしてメラトニン分泌を促すのがよいでしょう。
正常なメラトニン分泌を妨げるのが、夜間の強い光です。就寝前の過ごし方によってはメラトニン分泌を抑制し、睡眠を妨げる場合があります。
光はメラトニン分泌に影響を及ぼしますので、光の強さに注意しましょう。どの程度の光が睡眠に影響を与えるかの目安を紹介します。500ルクス以上の光でメラトニン分泌が抑制されるといわれています。特に青白い短波長の光は抑制する力が強いと考えられています。
夜間の照明は150ルックス未満にする、間接照明を使用する、暗めの暖色系の照明を選ぶなどの対策がおすすめです。
光の量の調整でメラトニン分泌をコントロールするほか、食事や運動で睡眠の質を向上させるとより効果的です。バランスよい食生活と運動の習慣は特に取り入れたい睡眠改善方法です。特におすすめの栄養素と運動を紹介します。
食事と運動のとり方にも気をつけましょう。夕食は睡眠の2~3時間前には済ませておくのがおすすめです。運動は疲れを感じているときは無理をせず、体を休ませることを優先してください。
睡眠の改善は、光を浴びる時間帯や光の強さが大きく関わってきます。就寝前にスマホを操作したり照明を最大の明るさにしていると、メラトニン分泌が低下してしまいます。バランスのとれた食事やリズム運動も取り入れて、よりよい睡眠を手に入れましょう。