梅雨の体調不良の原因は自律神経の乱れ?どうやって対処すればいい?

2023/6/14

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

梅雨の時期は、体がだるくなったりやる気が起こらなかったりと、心身ともに体調を崩しやすい時期です。このような梅雨の体調不良は、自律神経の乱れが原因で起こることがあります。この記事では、自律神経の乱れで起こる梅雨の体調不良の特徴や原因、注意点、病院の受診目安について解説していきます。

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梅雨の体調不良の特徴

梅雨になると憂鬱な気分になったり、体が重く感じたり不調を訴える方が増えてきます。この時期の体調不良は、気圧差や温度差などが原因になることが多いです。このような体調不良は「季節病」や「気温病」とも呼ばれ、以下のように「体の不調」と「心の不調」の症状が現れやすい特徴があります。どの症状が現れるか、どの程度症状が現れるかには個人差がありますが、これらの症状は自律神経の働きが大きく関係していると考えられています。

体の不調

  • だるい
  • 体が重い
  • 吐き気
  • 肩こり
  • 頭痛
  • めまい
  • 耳鳴り
  • 下痢、便秘
  • 食欲不振
  • むくみ
  • 寝つきが悪い
  • 関節痛、神経痛 など

心の不調

  • やる気が出ない
  • 集中力、注意力の低下
  • 人に会うのが億劫になる(外出頻度の低下)
  • 情緒不安定になる
  • 午前中の気分が特にのりにくい など

自律神経の乱れが原因で梅雨の体調不良が起こる理由

梅雨の体調不良は、気温差や気圧差によって自律神経が乱れやすくなることが原因と考えられています。私たちの体には「自分の意思で働く神経」と「自分の意思に関係なく働く神経」があり、自分の意思とは関係なく体の機能をコントロールしているのが自律神経です。自律神経には交感神経と副交感神経があり、2つの神経が相互の関係を保つことで体温調節や呼吸・循環機能・胃腸の働き・ホルモンバランスなどをコントロールしています。

梅雨の時期は、晴れたり突然雨が降ったりするなど気温・気圧が変化しやすいため、交感神経と副交感神経のバランスも乱れやすいです。自律神経が乱れてうまく働かなくなることで体の機能やホルモンバランスも乱れやすくなり、心身に不調が現れやすくなります。梅雨時期の体調不良の多くは一時的なもので、一般的には夏になると軽快しますが、生活習慣の乱れや過度のストレスなどが続くと梅雨が終わっても体調不良が続くことがあるため注意が必要です。

自律神経を整えるためにできる対策

これから迎える梅雨の時期に備えて、自律神経を整えておくことはとても大切です。梅雨のシーズンを、できるだけ体調を崩さず楽しく過ごせるようにするためにも以下を心がけましょう。

睡眠をしっかりとる

梅雨の体調不良を防ぐためには、しっかりと睡眠をとり「心と体を休める」ことが大切です。夜更かしで睡眠のリズムが崩れたり寝不足が続くと自律神経の切り替えがうまくできず、本来副交感神経の働く時間帯に交感神経が働くことになり、自律神経が乱れやすくなってしまいます。

体や心を休めるためには、副交感神経をきちんと働かせる必要があります。睡眠は疲れた心と体を回復させるためには欠かせないものです。自律神経が正しく働きやすくなるようにするためにも、しっかりと睡眠をとるようにしましょう。

生活のリズムを整える

私たちの体には、1日の体温・ホルモン・睡眠などを整える体内時計が備わっています。生活リズムが乱れてしまうと体内時計も乱れてしまい、自律神経も乱れやすくなってしまいます。できるだけ規則正しい生活を送るように心がけましょう。

適度な運動を行う

ウォーキングや散歩、負荷の軽めのスポーツなど、適度な運動は自律神経を整えることに役立ちます。また、適度な運動は良い気分転換にもなり、気分が塞いでいるときのストレス発散にもなります。生活習慣病や肥満の予防のためにも、適度な運動を心がけましょう。

リラックスできる時間を作る

交感神経を鎮めて副交感神経を働かせるためには「リラックス」がとても大切です。映画鑑賞や音楽鑑賞、読書や趣味の時間を設けるなどして、リラックスできる時間を作りましょう。また、お風呂の時間も、シャワーだけで済ますより湯船に浸かるほうが、よりリラックスすることができます。

食事のバランスに気をつける

偏った食事は睡眠不足と同様に体調不良を招く原因になります。バランスの良い食事は必要な栄養を補うだけでなく、食後の腸の動きを活発にすることに役立ちます。栄養バランスの整った食事を摂ることを心がけましょう。

病院に相談した方がいいのはどんなとき?

梅雨時期の体調不良は一時的な場合も多いですが、生活環境やストレスなどが原因で梅雨が終わっても不調が続くことがあるため注意が必要です。自律神経の乱れが長引くと、うつ状態や自律神経失調症などを引き起こし、日常生活に支障が出ることがあります。体や心の体調不良が長期化している場合や日常生活に支障が出るほど重症な場合は、一人で抱え込まず早めに病院を受診しましょう。

おわりに:梅雨の体調不良とうまく付き合い、夏を迎えよう

梅雨時期に起こる体調不良は、気圧の変化などで自律神経が乱れることが原因のひとつです。症状や程度には個人差がありますが、長期化すると深刻な状態に陥る場合もあります。いつまでも良くならない体調不良や、日常生活に支障が出るほどの体調不良があるときが、早めに病院を受診しましょう。梅雨の不調とうまく付き合いながら素敵な夏を迎えてください。

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うつ(49) 自律神経(37) 気象病(3) 季節病(1) 梅雨(2)