ビタミンDってどんな働きを持つ栄養素なの?

2019/6/24

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

ビタミンDが健康な骨の維持に必要不可欠な栄養素ということはご存知ですか?「カルシウムと一緒に摂るように栄養士さんから勧められたが、どんな働きをするかは知らない」という方も多いのではないでしょうか。今回はビタミンDの働き、欠乏すると起こる病気、一日の推奨摂取量などをまとめました。

ビタミンDってどんな栄養素?

ビタミンDは、健康維持に必要な栄養素です。体の全細胞内にあり、神経伝達をスムーズに行う働きを担っています。また、筋肉を動かしたり、体の免疫システムがウイルスや細菌を退治する場合にも欠かせない栄養素です。

また、骨の材料となる「カルシウム」の吸収を助ける力も持っており、骨の維持に欠かせない栄養素のひとつです。ビタミンDの摂取量が少ないと、骨が軟化して脆くなったり、細くなったりします。この症状が子供に起こると「くる病」、大人に起こると「骨軟化症」となります。さらに、高齢者がビタミンDをとらないと骨粗鬆症になる危険性もあります。

脂肪の代謝によって生成される「プロビタミンD(ビタミンDの前駆物質)」が皮膚の組織には存在しています。プロビタミンDが紫外線で分解されてビタミンDに変化するので、日光浴もビタミンDの生成に役立ちます。

ビタミンDって体内でどんな働きをしているの?

ビタミンDの主な2つの働きをご紹介します。

カルシウムの吸収を高める

カルシウムは骨の材料となりますが、吸収率の悪さが難点です。飲食物から摂取しても、摂取量の20~30%しか体に取り込まれません。しかし、ビタミンDと一緒に摂ると、カルシウムが小腸の細胞膜に吸収されやすくなります

骨の生成を助ける

ビタミンDは小腸で吸収され、腎臓や肝臓で活性化されます。そこで「活性型ビタミンD」となり、初めて体内で有効に動けるようになります。

人間の骨は、「破骨細胞(はこつさいぼう)」が古くなった骨を破壊し、「骨芽細胞(こつがさいぼう)」が新しい骨を作っています。骨代謝(新陳代謝)を繰り返しながら維持されています。

しかし、カルシウムや活性型ビタミンDが不足すると、「破骨細胞(はこつさいぼう)」と「骨芽細胞(こつがさいぼう)」のバランスが崩れ、骨の破壊に生成が追いつかない状況に陥ります。そうすると骨粗鬆症になるため、ビタミンDの摂取は骨の健康に非常に重要です。

1日に必要なビタミンDの摂取量は?

ビタミンDの1日あたりの適切な摂取量は年齢によって異なります。米国食品栄養委員会が作成した年齢別の平均推奨摂取量(1日あたり)をまとめました。

1日の平均摂取推奨量(ビタミンDの場合 1IU = 0.025mcg)

乳幼児(12カ月まで)
400IU
未成年(1歳~19歳まで)
600IU
成人(20~70歳まで)
600IU
高齢者(71歳以上)
800IU

乳幼児は少なめ、高齢者は多めに摂取するのが望ましいとされています。ちなみに妊婦や授乳婦は年齢に関わらず600 IUです。しかし、カルシウムとビタミンDを摂りすぎると、腸管での調節バランスが崩れます。結果的に「高カルシウム血症」になる場合もあります。過剰摂取をしないよう気を付けましょう。

おわりに:ビタミンDは骨の生成に不可欠な栄養素。過不足なく摂取しましょう

ビタミンDは健康維持および骨の維持のために必要不可欠な栄養素です。カルシウムの吸収率を上げ、骨の生成に関与するため、欠乏すると骨粗鬆症などの病気になる危険性があります。日ごろからビタミンDを摂取し、日光浴なども心掛けましょう。

ただし、年齢によって適量が決まっています。過剰摂取は体内のバランスを乱すことになりますので、ほどよく摂取することが肝心です。

関連記事

この記事に含まれるキーワード

ビタミンd(28) ビタミンDの働き(1) ビタミンDの摂取量(1)