記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
疲れの原因は何でしょうか。休んでいるつもりが、かえって疲れを増幅させていることがあります。代表的な疲れの原因8つと解決方法を紹介します。
ソファでリラックスしているのに、それがどうして疲れの原因なのでしょうか。
長時間同じ姿勢をとり続けていると、体が眠るのだと勘違いしてしまいます。いわば電力を省電力モードにしてしまうようなものです。テレビやパソコンを同じ姿勢で続けているのも同じです。
<解決策>
ときどき立ち上がって、ストレッチをして歩き回りましょう。「起きているぞ」信号を体に送ってください。テレビやパソコンは何度かひと休みします。
間違った立ち方、座り方をすれば体のバランスが崩れ、背骨がゆがみます。余計な筋肉を使いエネルギーを消費してしまいます。座っているだけでなぜ疲れるの?という心当たりがありませんか。
<解決策>
立っている時も、座っている時も、歩いている時も、頭の上を釣られている感覚で、頭から背骨、腰まで一直線になるように意識します。頭が前かがみになったり、肩が丸まったりしないようにしてください。
極端なダイエットは体重を減らす効果があるかもしれませんが、体全体には決して望ましいことではありません。一日のカロリー摂取量が極端に低い場合、例えば850キロカロリー以下の場合は、疲れを増し、健康を害する恐れがあります。
<解決策>
健康的にバランスの良い食事をすること。ジャンクフードや砂糖の多い食べ物は避ける。食べる一口のサイズを小さくする。
仕事が窓のない室内であったり、家の中にいる必要が多く、日にまったく当たらないで生活していると疲労感が増します。これは日光や新鮮な空気の欠如によって起きます。
<解決策>
体が疲れたと感じる時、一日1回最低10分程度でも良いので散歩に出る。外出がかなわないなら、ベランダや窓際に行き日光をあびる。これは曇りの日でも効果があります。体に目覚めを感じさせる方法です。
砂糖の入った朝食、例えばパンやマフィンの砂糖入りバタートーストなどを食べると、血糖が上がり早くエネルギーを得ることができます。しかし血糖値は数時間後に下がりエネルギー低下で疲労感を覚えます。
<解決策>
血糖値を急激に下げない朝食とは、精製されていないでんぷんを主体とする朝食がおすすめです。低脂肪ミルクに少量のはちみつ。砂糖や塩分の少ないのシリアルと果物。全粒粉や米粉のトーストと卵などです。
いつもくよくよ心配していることに、エネルギーを使いすぎてしまうことがあります。一日中考えていると血圧が上がり、筋肉が収縮してバランスをこわし、疲労や痛みにつながります。
<解決策>
一日で心配する時間を別に持つこと。ポジティブに考えることに努力して、一旦心配事はその時間から排除する。嫌なことは先に済ますようにする。例えば、嫌な歯医者の予約は朝一番に入れるなど。
定期的に運動することは健康に良いことです。しかし、自分にプレッシャーを与えて必要以上にハードな運動をするのは、疲労感を増します。特に短期間でシェイプアップをしようとする人が該当します。
<解決策>
休む日を必ず設けること。毎日続けるのではなく、長い継続をめざしましょう。スポーツジムを利用する場合は、専属のトレーナーなどにアドバイスを受けて、自分の年齢や体調に合った運動の方法や量を聞くことができます。
日照時間が少なく外気に触れる機会が減る冬の間は、睡眠から起床にいたる体のリズムが乱れがちになります。体が朝を感じにくくなり疲労につながります。日照時間が少ないと脳がメラトニンという体内時計を調整するホルモンを出すしくみも影響しています。
<解決策>
日中はできる限り外に出て外気をあび、毎日軽く運動し、フルーツや野菜など健康的ない食事をとることをすすめます。
休んでいると思い込んでいただけで、疲れがかえって増す時間を過ごしていたことに、気づかれたこといでしょう。これからは少しでも疲れの原因になるものを取り除いて健康な時間をお過ごしください。