夏風邪ってどうして長引くの?引いたときの対処法は?

2019/8/2

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

「夏風邪はしつこい」「夏風邪はなかなか治らなくて困る」など、夏風邪のつらさを一度は聞いたことがあるかもしれません。なぜ、夏風邪は長引いてしまうのでしょうか。また、治すためにどんなことができるのでしょうか。

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夏風邪が長引くのはどうして?

「夏風邪」とは、一般的に梅雨の時期から夏にかけて流行するウイルス感染症のことをいいます。夏風邪のウイルスの多くは冬の風邪と異なり高温多湿の環境を好み、感染力が強いのが特徴です。

夏風邪が冬の風邪よりも長引いてしまうのには理由があります。夏場は屋内外の温度差や冷たい物の飲み過ぎ、睡眠不足や暑さによって、いつもより体力や免疫力が低下しやすくなります。夏風邪はこのようなときにかかりやすく、感染すると多くの場合ウイルスがお腹の中で増殖します。お腹で増殖したウイルスは排出に時間がかかるめ、症状が長引くのです。

長引く夏風邪を治す方法はないの?

夏風邪には特効薬や特別な治療法はなく、体力や免疫力を上げて自然に治すほかありません。原因となるウイルスはいくつかありますが、主な原因ウイルスとして、アデノウイルス(結膜炎、発熱やのどの痛み、激しい咳などが出るプール熱の症状を引き起こす)、コクサッキーウイルス(突然の発熱、口内炎や口内の水泡などがあらわれるヘルパンギーナを引き起こす)、エンテロウイルスやエコーウイルス(口の中や手足の水疱を症状とする手足口病などを引き起こす)などがあります。

夏風邪ウイルスに感染してしまった場合には、どのウイルスに感染したかによって対処法が違ってくる場合がありますが、感染したときにはまず安静にして、水分、睡眠と栄養を十分にとり、体力を消耗しないようにしながら症状にあわせた対症療法を行います

夏風邪を引いちゃった!対処法は?

できるだけ安静にし、栄養や水分、十分な睡眠をとり、自然に治るのを待つのが一般的です。のどや口内炎の痛みがあるときには、軟らかく刺激の少ない物を中心に食べるようにし、こまめに水分を補給しましょう。

特に乳幼児や高齢者は、症状が長引くと悪化してしまう場合があるので注意が必要です。高熱やのどの痛み、咳などの症状には、総合感冒薬や解熱剤を使用しますが、下痢などの症状はウイルスの排出に関わるため、適切な薬の選択が必要です。

脱水症状が強いときには点滴が必要となる場合もあります。症状が改善しないあるいは悪化する場合には、早めに医師に診てもらうようにしましょう。

おわりに:夏の免疫力の低下が回復を長引かせます。安静と栄養・水分補給で回復を待ちましょう

夏場はいつもより体力や免疫力が低下しやすくなり、そこで夏風邪に感染するとウイルスがお腹の中で増殖しなかなか排出できずに症状が長引いてしまいます。夏風邪ウイルスには特効薬や特別な治療法はなく、体力や免疫力を上げて自然に治すほかありません。安静にして、水分、睡眠と栄養を十分にとりながら必要に応じて症状にあわせた対症療法を行います。症状がひどい場合や長く続く場合には、医師に適切な薬を処方してもらいましょう。

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