ナイアシンってどんな働きをする栄養素?

2019/7/1

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

ナイアシンという栄養素を聞いたことがありますか?ビタミン剤などがお好きな方は、毎日飲んでいるビタミン剤に入っている場合もあるでしょう。では、ナイアシンとはどういった栄養素なのでしょうか?

今回はナイアシンの体内での働きをまとめました。ナイアシンが多く含まれる食品もご紹介しますので、今日から食卓に取り入れてみてくださいね。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

ナイアシンとは?

ナイアシンは「水溶性ビタミンB群」の一種で、「ニコチンアミド」と「ニコチン酸」の総称でもあります。体内ではアミノ酸のひとつである「トリプトファン」からナイアシンが合成されます。そのため、ナイアシンの量はトリプトファンの含有量も考慮した「ナイアシン当量」で表すことになっています。

ナイアシンとトリプトファンとの間には ナイアシン1mg = トリプトファン60mg という式が成り立つため、ナイアシン当量(mgNE)は以下の計算式で表されます。

ナイアシン(mg)+1/60 トリプトファン(mg)= ナイアシン当量(mgNE)

ナイアシンは1日あたりの推奨量が定められていますが、その場合の単位はナイアシン当量に用いる「mgNE」です。

ナイアシンで得られる効果は?

ナイアシンは生鮮食品の中に含まれており、加熱調理をすると名称が変わります。植物性食品の場合は「ニコチン酸」、動物性食品の場合は「ニコチンアミド」になります。

「ニコチン酸」と「ニコチンアミド」は小腸から吸収され、体内で「ピリジンヌクレオチド」に生合成されます。そして人間の体内で様々な働きをしてくれています。

ナイアシンの働き

  • 脳神経の働きを補助する
  • 皮膚の健康を維持する
  • アルコールの分解を促す
  • 胃腸管の動きを正常にする
  • 血行を促進する
  • 体内のDNAやステロイドホルモンなどの合成を助ける
  • 体内の脂質、糖質、タンパク質の代謝を助ける

1日に必要なナイアシンの摂取量は?

ナイアシンの1日あたりの摂取推奨量は決まっています。生まれた直後はあまり必要ありませんが、歳を重ねるにつれ、徐々に推奨量が増えていきます。男性の場合は15歳から17歳までが一番必要で、1日あたり16mgNE摂取するのが理想的です。一方、女性の場合は12~17歳までが一番摂取を必要とする時期で、1日あたり13mgNE摂るようにします。

男女ともにピークを超えると、徐々に必要量が減ります。やはり、代謝や合成に関わる栄養素ですので、成長期に多くを必要とします。また、全年齢を見ると、女性よりも男性の方が必要量は多いので、男性は女性よりも積極的にナイアシンを摂りましょう。

ナイアシンは、マグロやカツオ、たらこといった魚介類や、レバー、コーヒーやピーナッツなどに多く含まれています。日々の食事の際に、積極的に取り入れましょう。

ナイアシンを多く含む食品

  • マグロ
  • カツオ
  • たらこ
  • レバー
  • コーヒー
  • ピーナッツ  など

たとえば、コーヒーとともにピーナッツを食べると効率よくナイアシンを摂取できます。ただ、間食を頻繁にするのは糖尿病などを引き起こす懸念があるため、1日1回、15時だけにするなど、ルールを作っておくとよいでしょう。

おわりに:ナイアシンは体に必要な栄養素!積極的に取りましょう

ナイアシンは「水溶性ビタミンB群」のひとつで、体内の代謝や合成を促したり、アルコールの分解や血行を促進したりして、体内で活躍してくれる栄養素です。主にマグロやカツオ、レバーといった食品から摂取することができます。若い人から高齢者・シニアまで大切になる必要摂取量を摂れるよう、食事に気をつけましょう。

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