記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2022/11/11
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
私たちの体の構成に欠かせない代表的な栄養成分である必須アミノ酸の1つに、トリプトファンがあります。今回はトリプトファンとは何か、その働きや豊富に含まれる食材、摂取時の注意点などをまとめて解説していきます。
トリプトファンは、食品のタンパク質に含まれている必須アミノ酸の一種です。食事から摂取すると肝臓や腎臓で分解され、体を動かし維持するためのエネルギー源となるほか、脳に運ばれるとセロトニン生成の材料ともなります。セロトニンは脳で生成される神経伝達物質の一種で、精神を安定させる働きがあり、分泌量が不足すると睡眠障害やうつ、不安感などの原因となると考えられています。脳に送られたトリプトファンは、ビタミンB6やナイアシンなどと結合することで、セロトニンとなって私たちの心身の健康を助けています。
トリプトファンを摂取することで得られる健康作用としては、以下のものが挙げられます。
トリプトファンは、以下の食材に豊富に含まれています。
なお、トリプトファンがセロトニンに変換され、その後メラトニンになるまでには少し時間がかかります。トリプトファンを摂取する理想的なタイミングは朝と言われているので、朝ごはんに取り入れると良いでしょう。
トリプトファンを過剰摂取すると、肝臓に負担がかかり脂肪肝や肝硬変を引き起こす恐れがあります。特に肝臓に疾患を持つ方が多量に摂取すると昏睡状態を招くリスクもあり、抗うつ剤との食べ合わせにより、血圧や心拍数の変化や脳血管収縮障がいなどの副作用を生じさせる場合もあります。健康な方でも適量摂取を心がけ、服薬中の方は医師に相談の上で摂取するようにしてください。
さまざまな健康作用が期待できるトリプトファンは、体内では生成されず、食事からしか摂ることができません。寝つきの悪さなどでお悩みの方は、ご紹介した食材を日々の献立(できれば朝食)に取り入れるところから始めていきましょう。