体内でのセロトニンの働きは?多すぎるのもよくないって本当?

2019/7/25

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

セロトニンは、精神安定、気持ちや感情のコントロールなどに深く関わる神経伝達物質です。この記事では、セロトニンの主な働きや、不足するとあらわれる症状を紹介します。また、過剰に摂りすぎるとどんな症状がみられるかも合わせて解説します。

セロトニンってどんな働きをしているの?

セロトニンは、脳内の神経伝達物質のひとつです。精神安定、気持ちや感情のコントロールなどに深く関わり、驚き・恐怖などにはノルアドレナリン、快楽・喜びなどにはドパミンなどの神経伝達物質が関係しています。

セロトニンは必須アミノ酸である「トリプトファン」からつくられ、神経核の集まりで運動機能や学習などさまざまな機能をもつ大脳基底核や、自律神経などの調節を行う視床下部などに多く存在しています。また、精神を安定させるはたらきがあるため、セロトニンが低下した場合には感情などの情報のコントロールが上手くいかずにバランスを崩し、うつやパニック障害、睡眠障害、また攻撃性が高まるなどの精神的な症状を引き起こす可能性があります。

セロトニンが不足してしまう原因は?

セロトニンが不足してしまう原因として、主に以下のようなものが考えられます。

セロトニンの材料不足

セロトニンは、必須アミノ酸である「トリプトファン」からつくられます。ただし、トリプトファンは体内でつくり出すことができないため、合成に必要なビタミンB6と一緒に食事で摂る必要があります。トリプトファンは、乳製品や豆製品などに多く含まれ、ビタミンB6は鰹やマグロの赤身、鶏や牛、豚のレバー、また小麦胚芽や玄米などに豊富に含まれています。このような食品が不足している場合、セロトニンの不足を招くことがあります。

屋外での活動や運動不足

セロトニンは、セロトニン神経から分泌されています。またセロトニン神経は適度な運動や日光を浴びることなどではたらきが良くなることが知られています。しかし現代人は屋内で過ごす傾向にあり、体を動かす機会が減っているため、セロトニンが不足する恐れがあると考えられています。

セロトニンを増やすにはどんなことをすればいい?

セロトニンを増やすためには、食事からトリプトファンが多く含まれる食品を摂ることが必要です。トリプトファンを豊富に含む食べものには、味噌や醤油、納豆や豆腐などの大豆製品、ヨーグルトやチーズなどの乳製品、米などの穀類などがあります。また卵やピーナッツ、胡麻やバナナなどにも含まれています。体重1kgあたり2mg程度を目安に摂るようにしましょう。

セロトニンが増えすぎてもダメなの?

セロトニンが増えすぎると、セロトニン症候群が引き起こされる可能性があります。セロトニン症候群は、うつ病の治療薬である選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を多く服用する、他の薬との相互作用で血中濃度が上昇した場合に起きることがあります。

症状として、特に頭痛がみられます。また、そのほかにめまいや嘔吐、体温上昇や吐き気などが起こる場合もあり、最悪の場合には死に至ることもあります。セロトニンは体内で合成することはできません。そのため、セロトニンが過剰になるのは、SSRIといううつ病の薬を使用している場合にみられます。

おわりに:食事でトリプトファンを摂って、セロトニン不足にならないようにしよう

セロトニンは体内でつくり出すことができないため、食事などで摂る必要があります。乳製品や大豆製品などを摂取して、セロトニンが十分に分泌される体内環境を整えましょう。ただし、SSRIといった薬を服用している方の場合、セロトニン症候群を発症する可能性がありますので、積極的に摂ればよいとは限らないことにも留意しておきましょう。

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