メラトニンは睡眠障害の治療にも使われている??

2018/4/2

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

脳で分泌される「メラトニン」。このメラトニンは、睡眠を促す効果があるホルモンとして知られていますが、実際の睡眠障害の治療でも薬として使用されるという話が。それは本当でしょうか?睡眠障害の種類や治療法と併せて解説します。

メラトニンには睡眠を促す効果がある

メラトニンは夜間に脳の松果体(しょうかたい:脳にある小さい内分泌器)で分泌されるホルモンです。メラトニンが分泌されると体温が低下し、人間は睡眠の体制に入ります。

メラトニンは光を浴びることで分泌サイクルがリセットされ、約14時間後に分泌を開始します。そのため、朝しっかりと光を浴びることが、夜間のメラトニン分泌を促し、質の高い睡眠に繋がります。

セロトニンとメラトニンの関係とは?

本来、人間の身体は約24時間の周期で調整されています。この周期は「おおよそ1日周期」という意味で、「概日(がいじつ)リズム」と呼ばれています。概日リズムには、メラトニンの他に、「セロトニン」というホルモンの分泌が重要な役割を担っています。

メラトニンは光の刺激で分泌サイクルがリセットされますが、セロトニンは光の刺激があることで分泌が開始されます。メラトニンは、必須アミノ酸のひとつであるトリプトファンからセロトニンを経てつくられるものです。そのため、日中はしっかりと活動してセロトニンの分泌を促すことが、夜間のメラトニンの分泌にも繋がります。

概日リズム睡眠障害とは?

現代の忙しい生活をおくる人々の中には、生活に支障をきたしてしまうほど概日リズムが乱れている人もいます。以下に睡眠障害の種類について挙げていきましょう。

睡眠相後退症候群

眠る時間が遅くなってしまうことで、起きる時間も後退してしまうことが慢性的になっているタイプの睡眠障害です。

睡眠相前進症候群

眠る時間が早くなりすぎてしまうことで、起きる時間も早くなってしまうことが慢性的になっているタイプの睡眠障害です。

非24時間睡眠覚醒症候群

毎日少しずつ入眠や覚醒の時間が遅れていってしまうタイプの睡眠障害です。

こういった睡眠障害は、何らかの原因で概日リズムが崩れてしまうことで起こります。メラトニンやセロトニンの分泌サイクルが乱れていることはひとつの要因となります。

概日リズム睡眠障害の治療にはメラトニンが使われる?

概日リズム睡眠障害の治療は、概日リズムを整えることを目指していきます。治療法としては以下のようなものがあります。

高照度光照射療法

高照度ライトを利用して概日リズムを整えます。治療には数ヶ月かかり、本人に合った照射時間や照射量などがあるため、医師の指示が必要です。

メラトニンや睡眠薬の処方

医師の指示のもとでメラトニン受容体作動薬や睡眠薬を服用し、睡眠のリズムを整えます。

生活スタイルの工夫

入眠前はパソコンやスマートフォンの使用を控えるなど、生活の中で工夫できそうなことを実践します。

これらの治療は、医師の他にもカウンセラーなどとの相談を通して、個々人が実践しやすいところから問題の解決を目指していきます。

おわりに:概日リズムの乱れによる睡眠障害は、専門治療を

メラトニンやセロトニンは人間の概日リズムに関与していますが、現代人の生活スタイルは多様となり、概日リズムが崩れて睡眠障害になる人も少なくはありません。夜間に眠れない、日中の眠気が著しいという方は独りで悩まず、専門の医療機関に相談してみてはいかがでしょうか。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

スヤナイトα

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