睡眠障害にメラトニンが関係してる?改善できるの?

2018/4/2 記事改定日: 2019/1/28
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

メラトニンは、睡眠を促す効果があるホルモンとして知られていて、実際の睡眠障害の治療においても注目されています。
ここでは、睡眠障害とメラトニンとの関係性について解説しています。

メラトニンに睡眠を促す効果があるのはなぜ?

メラトニンは夜間に脳の松果体(しょうかたい:脳にある小さい内分泌器)で分泌されるホルモンです。メラトニンが分泌されると体温が低下し、人間は睡眠の体制に入ります。

メラトニンは光を浴びることで分泌サイクルがリセットされ、約14時間後に分泌を開始します。そのため、朝しっかりと光を浴びることが、夜間のメラトニン分泌を促し、質の高い睡眠に繋がります。

セロトニンとメラトニン

本来、人間の身体は約24時間の周期で調整されています。この周期は「おおよそ1日周期」という意味で、「概日(がいじつ)リズム」と呼ばれています。概日リズムには、メラトニンの他に、「セロトニン」というホルモンの分泌が重要な役割を担っています。

メラトニンは光の刺激で分泌サイクルがリセットされますが、セロトニンは光の刺激があることで分泌が開始されます。メラトニンは、必須アミノ酸のひとつであるトリプトファンからセロトニンを経てつくられるものです。そのため、日中はしっかりと活動してセロトニンの分泌を促すことが、夜間のメラトニンの分泌にも繋がります。

概日リズム睡眠障害の種類

概日リズムの乱れが原因の睡眠障害には、以下があります。

睡眠相後退症候群
眠る時間が遅くなってしまうことで、慢性的に起きる時間も後退してしまうタイプの睡眠障害
睡眠相前進症候群
眠る時間が早くなりすぎてしまうことで、慢性的に起きる時間も早くなってしまうタイプの睡眠障害
非24時間睡眠覚醒症候群
入眠や覚醒の時間が毎日少しずつ遅れてしまうタイプの睡眠障害

これらの睡眠障害は、何らかの原因で概日リズムが崩れてしまうことで起こりますが、メラトニンやセロトニンの分泌サイクルが乱れてしまうことも要因となり得るのです。

概日リズム睡眠障害の治療にはメラトニンが使われる?

日本ではメラトニン自体が認可されていません。そのため、日本においての概日リズム睡眠障害の治療は、高照度ライトやメラトニン受容体作動薬を使って概日リズムを整えていきます。

高照度光照射療法

概日リズムを整える要素は多々ありますが、「太陽の光」は概日リズムの調節に大きく関与しています。
この性質を利用したのが高照度光照射療法であり、朝方に数時間高照度光を照射して、概日リズムを整え、夜型生活や時差などによる睡眠リズムの乱れを整える効果を期待するものです。
最近では、眼鏡のような形態で装着できる機器もあり、自宅で治療を行うことも可能です。

メラトニン受容体作動薬

メラトニン受容体作動薬とは、脳内ホルモンであるメラトニンが結合する受容体に作用することで、メラトニンの作用を補う薬です。
メラトニンは睡眠を導く非常に重要なホルモンであり、メラトニンの分泌不足は入眠障害を引き起こします。入眠障害のある人にメラトニン受容体作動薬を使用することで、不足したメラトニンの作用を補い、スムーズな入眠を導く効果を期待することができます。

自分で概日リズムを整える方法はある?

概日リズムは、日々の生活習慣を改善することで整えることができます。
そのための対策として、以下のようなものがおすすめです。

  • 起床時はカーテンを開けて太陽の光を浴びるようにする
  • 就寝・起床時間を規則正しくする
  • 日中は昼寝をせずに活動する
  • セロトニンの生成に必要なトリプトファンを多く含む、赤味肉やレバー、チーズ、青魚、大豆製品、バナナなどを多く食べる

おわりに:睡眠障害は体内リズムの乱れが原因かも。悩むまえにまず医師に相談を

メラトニンやセロトニンは人間の概日リズムに関与しています。現代人は概日リズムが崩れやすい生活様式の中で生きているので、体内リズムが乱れて睡眠障害になる人も少なくはありません。
セルフケアを試してもいっこうに良くならないという人も、専門の医療機関の治療で改善することがあります。悩みを抱えこんでしまえば、睡眠の乱れがさらに悪化してしまいかねません。
まずは一度病院に相談してみましょう。

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