必須アミノ酸の種類ってどのくらいあるの?効果的な摂り方は?

2019/7/30

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

私たちの体を構成する重要な栄養素の1つとして、アミノ酸が挙げられます。そのなかでも「必須アミノ酸」と呼ばれる種類のものには、どのような効果や特徴があるのでしょうか。この記事では、必須アミノ酸とは何かや、その種類やそれぞれの特徴と効果的な摂り方を解説していきます。

必須アミノ酸とは

アミノ酸は生命の源とされ、自然界には500種類も存在すると言われる有機化合物です。私たち人間の体をつくり、生命を維持するのに必要なアミノ酸は20種類ありますが、これらは大きく「必須アミノ酸」と「非必須アミノ酸」の2種類に分けられます。

アミノ酸と必須アミノ酸、その意味とそれぞれの違い

必須アミノ酸
人体構成に必要なアミノ酸のうち、体内で合成できず、食事のみから摂取できるもの。
非必須アミノ酸
人体構成に必要なアミノ酸のうち、体内で合成することが可能な種類のもの。ただし食事からも摂取可能で、体内合成での不足分を補うため食事での摂取が推奨されている。

必須アミノ酸は主に肉や魚などのタンパク質に多く含まれていて、食事をして摂取することで体に分解・吸収され、細胞の原料として再び合成されて体を作っているのです。

必須アミノ酸の種類と、それぞれの特徴は?

ここからは、全部で9種類ある必須アミノ酸について、それぞれの特徴や効果、多く含まれている食品をご紹介します。

L-イソロイシン

ロイシン、バリンとともに分岐鎖アミノ酸(BCAA)と呼ばれる種類の必須アミノ酸で、成長促進や血管拡張、肝機能と筋肉強化、心身の疲労回復などの効果が期待できます。鶏肉や子牛肉など肉類のほか、チーズや牛乳にも多く含まれています。

L-スレオニン

別名「トレオニン」とも呼ばれる、成長促進や新陳代謝の促進、肝機能の改善・強化などの効果が期待できます。9種類のなかで最後に発見された必須アミノ酸で、卵、ゼラチン、スキムミルクなど動物性タンパク質に多く含まれています。

L-トリプトファン

ナイアシンの原料や、セロトニン生産に必要な必須アミノ酸で、安眠効果や精神安定作用をもたらしてくれます。レバーやチーズ、牛乳、バナナ、大豆、高野豆腐、きな粉、パイナップル、緑黄色野菜などに多く含まれています。

L-バリン

ロイシン、イソロイシンと並ぶBCAAで、タンパク質の合成や肝機能の向上、血液中の窒素バランスの調整に役立つ必須アミノ酸です。ほかのBCAAが不足すると働きが弱まります。子牛肉やレバー、鶏肉、魚、ドライミルク、チーズ、ゴマ、落花生などに含まれています。

L-ヒスチジン

神経機能のサポートや成長促進、慢性関節炎の緩和、ストレスの軽減作用があります。子どもの頃は体内で合成できないため、必須アミノ酸に分類されています。子牛肉や鶏肉、ハム、イワシ、カツオ、マグロ、チーズ、ドライミルクに含まれます。

L-フェニルアラニン

神経伝達物質として働き、精神安定や食欲抑制、鎮痛効果をもたらす必須アミノ酸です。人工甘味料の一種「アスパルテーム」の原料であることでも知られています。肉類全般や魚介類の他、大豆、あずき、高野豆腐、納豆にも多く含まれています。

L-メチオニン

ヒスタミンの血中濃度を下げてアレルギー症状を軽減したり、肝機能のサポートや、抑うつ効果、動脈硬化や抜け毛予防効果をもたらしてくれる必須アミノ酸です。牛肉、羊肉、レバー、牛乳、ホウレン草、にんにく、トウモロコシなどに多く含まれます。

L-リジン

肝機能強化、免疫力向上、脳卒中の発症抑制、カルシウムの吸収促進。ホルモンや酵素の生成を助ける作用のある必須アミノ酸です。サワラ、サバなどの魚類をはじめ動物性タンパク質に多く含まれますが、オートミール、大豆、高野豆腐、納豆などの一部植物性タンパク質にも含まれます。

L-ロイシン

バリンやイソロイシンと並ぶBCAAの一種で、タンパク質の合成や肝機能向上、筋肉強化の作用がある必須アミノ酸です。牛肉やレバー、ハム、牛乳、チーズ、とうもろこし、アジ、ホウレン草など幅広い食品に含まれています。

必須アミノ酸の効果的な摂り方は?

必須アミノ酸を効果的に摂取するには、以下のように、食べるタイミングや一緒に食べる栄養素を工夫するとよいでしょう。

  • 特定の種類だけでなく、さまざまな食品を食べて複数種のアミノ酸を摂取する
  • 体内に入ってからの代謝スピードを上げるため、ビタミンB、C、Eと一緒に摂取する
  • 運動能力を向上させるため、スポーツをする30分前に摂取する
  • 筋肉の修復や増強、筋肉痛防止のためスポーツの直後に摂取する
  • 疲労回復効果を高めるため、就寝前に摂取する

ただし、アミノ酸を過剰に摂りすぎると脳内のアミノ酸バランスが崩れたり、腎臓に大きな負荷をかける原因ともなります。継続的に複数のアミノ酸を少しずつ摂れるよう、意識して食事しましょう。

おわりに:必須アミノ酸は全部で9種類。毎日いろいろな種類を摂取しよう

私たちの体の構成に必要な20種類のアミノ酸のうち、9種類が人間の体内で合成できない「必須アミノ酸」に分類されています。必須アミノ酸は体内で合成ができないため、基本的には毎日の食事から、生命と健康の維持に必要な分を補って使わなければなりません。特定の種類ではなく、複数種類をバランスよく摂ることが求められますので、本記事を参考に動物性・植物性タンパク質をうまく食事に取り入れて摂取しましょう。

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