必須アミノ酸の種類別の特徴と効率の良い摂取方法とは

2022/3/24

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士 呼吸器内科専門医

山本 康博 先生

アミノ酸は、私たちの体を構成する重要な栄養素の1つです。アミノ酸には「必須アミノ酸」がありますが、どのような種類があり、効果や特徴に違いがあるのでしょうか。この記事では、必須アミノ酸と非必須アミノ酸の違いと、必須アミノ酸の種類別の効果と特徴、効率の良い摂取方法について解説していきます。

必須アミノ酸と非必須アミノ酸の違い

アミノ酸は生命の源とされ、自然界には500種類存在するといわれている有機化合物です。私たち人間の体をつくり、生命を維持するのに必要なアミノ酸は20種類ありますが、これらは大きく「必須アミノ酸」と「非必須アミノ酸」の2種類に分けられます。必須アミノ酸は肉や魚などのタンパク質に多く含まれていて、食事をして摂取することで体に分解・吸収され、細胞の原料として再び合成されて体を作っているのです。

必須アミノ酸
人体構成に必要なアミノ酸のうち、体内で合成できず、食事のみから摂取できるもの。
非必須アミノ酸
人体構成に必要なアミノ酸のうち、体内で合成することが可能な種類のもの
ただし、食事からも摂取可能で、体内合成での不足分を補うため食事での摂取が推奨されている

必須アミノ酸の種類と特徴、効果の違いについて

必須アミノ酸は9種類あり、特徴や効果、多く含まれている食品については以下のような違いがあります。

L-イソロイシン

L-イソロイシンは、ロイシン、バリンとともに分岐鎖アミノ酸(BCAA)と呼ばれる種類の必須アミノ酸です。成長促進や血管拡張、肝機能と筋肉強化、心身の疲労回復などの効果が期待できます。

多く含まれる食品

鶏肉や牛肉など肉類のほか、チーズや牛乳にも多く含まれています。

L-スレオニン

L-スレオニンは、別名「トレオニン」とも呼ばれる必須アミノ酸です。成長促進や新陳代謝の促進、肝機能の改善・強化などの効果が期待できます。9種類の必須アミノ酸のなかでも、最後に発見されました。

多く含まれる食品

卵、ゼラチン、スキムミルクなど動物性タンパク質に多く含まれています。

L-トリプトファン

L-トリプトファンは、ナイアシンの原料や、セロトニン生産に必要な必須アミノ酸で、安眠作用や精神安定作用をもたらしてくれます。

多く含まれる食品

レバーやチーズ、牛乳、バナナ、大豆、高野豆腐、きな粉、パイナップル、緑黄色野菜などに多く含まれています。

L-バリン

L-バリンは、ロイシン、イソロイシンと並ぶBCAAで、タンパク質の合成や肝機能の向上、血液中の窒素バランスの調整に役立つ必須アミノ酸です。また、ほかのBCAAが不足すると働きが弱まります。

多く含まれる食品

牛肉やレバー、鶏肉、魚、ドライミルク、チーズ、ゴマ、落花生などに含まれています。

L-ヒスチジン

L-ヒスチジンには、神経機能のサポートや成長促進、慢性関節炎の緩和、ストレスの軽減作用があります。子供の頃は体内で合成できないため、必須アミノ酸に分類されています。

多く含まれる食品

牛肉や鶏肉、ハム、イワシ、カツオ、マグロ、チーズ、ドライミルクに含まれます。

L-フェニルアラニン

L-フェニルアラニンは、神経伝達物質として働き、精神安定や食欲抑制、鎮痛効果をもたらす必須アミノ酸です。人工甘味料の一種「アスパルテーム」の原料であることでも知られています。

多く含まれる食品

肉類全般や魚介類に多く含まれ、大豆、あずき、高野豆腐、納豆にも含まれています。

L-メチオニン

L-メチオニンは、ヒスタミンの血中濃度を下げてアレルギー症状を軽減したり、肝機能のサポートや、抑うつ効果、動脈硬化や抜け毛予防効果をもたらしてくれる必須アミノ酸です。

多く含まれる食品

牛肉、羊肉、レバー、牛乳、ホウレン草、にんにく、トウモロコシなどに多く含まれます。

L-リジン

L-リジンは、肝機能強化、免疫力向上、脳卒中の発症抑制、カルシウムの吸収促進。ホルモンや酵素の生成を助ける作用のある必須アミノ酸です。

多く含まれる食品

サワラ、サバなどの魚類をはじめ動物性タンパク質に多く含まれ、オートミール、大豆、高野豆腐、納豆などの一部植物性タンパク質にも含まれます。

L-ロイシン

L-ロイシンは、バリンやイソロイシンと並ぶBCAAの一種で、タンパク質の合成や肝機能向上、筋肉強化の作用がある必須アミノ酸です。

多く含まれる食品

牛肉やレバー、ハム、牛乳、チーズ、とうもろこし、アジ、ホウレン草など幅広い食品に含まれています。

必須アミノ酸を効率よく摂取する方法

以下のように必須アミノ酸を含む食品を食べるタイミングや一緒に食べる栄養素を工夫することは、必須アミノ酸の効果を高めることにつながり、効率の良い必須アミノ酸の摂取に役立ちます。ただし、アミノ酸の過剰摂取は、脳内のアミノ酸バランスが崩れたり、腎臓に大きな負荷をかける原因ともなります。継続的に複数のアミノ酸を少しずつ摂れるよう、栄養バランスを意識した食事を心がけましょう。

  • 特定の種類だけでなく、さまざまな食品を食べて複数種のアミノ酸を摂取する
  • 体内に入ってからの代謝スピードを上げるため、ビタミンB、C、Eと一緒に摂取する
  • 運動能力を向上させるため、スポーツをする30分前に摂取する
  • 筋肉の修復や増強、筋肉痛防止のためスポーツの直後に摂取する
  • 疲労回復効果を高めるため、就寝前に摂取する

おわりに:必須アミノ酸は全部で9種類。毎日いろいろな種類を摂取しよう

私たちの体の構成に必要な20種類のアミノ酸のうち、9種類が人間の体内で合成できない「必須アミノ酸」に分類されています。必須アミノ酸は体内で合成ができないため、基本的には毎日の食事から、生命と健康の維持に必要な分を補って使わなければなりません。特定の種類ではなく、複数種類をバランスよく摂ることが求められますので、本記事を参考に動物性・植物性タンパク質をうまく食事に取り入れて摂取しましょう。

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