非必須アミノ酸ってどんな特徴があるの?必須アミノ酸との違いは?

2019/7/29

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

私たちの体の構成に不可欠な物質の1つに、アミノ酸があります。その種類に、よく耳にする必須アミノ酸以外にも「非必須アミノ酸」があることをご存知でしょうか。
今回は非必須アミノ酸について、必須アミノ酸との違いや種類、摂取にあたっての注意点などをまとめて解説していきます。

非必須アミノ酸とは

私たちの体を構成するアミノ酸は、大きく「必須アミノ酸」と「非必須アミノ酸」の2種類に分けることができます。それぞれを一言で表現すると、必須アミノ酸は「体内で合成することができない種類のアミノ酸」、非必須アミノ酸は「体内で合成可能な種類のアミノ酸」です。

この分類は、あくまで栄養学的に体内での合成の可・不可を基準にしたものです。非必須アミノ酸に分類されているものにも、一部、体内で必要な量を合成することができないため不足しやすく、食事からの摂取が必要になるものもあります。体に必要ないわけでも、食事からまったく摂らなくて良いわけでもないこととあわせて、非必須アミノ酸を正しく理解しましょう。

非必須アミノ酸の種類と、それぞれの特徴は?

以下に、全部で11種類ある非必須アミノ酸の種類や効果を、それぞれが多く含まれている食べ物の具体例とあわせてご紹介していきます。

L-アスパラギン

アミノ酸のうち最も早く発見されたもので、エネルギー生産のサポートや運動持久力の向上、肝臓保護の作用があります。アスパラ、肉類、ナッツ類、大豆、玄米、レーズン、エビ、牛乳、ジャガイモなどの食品に多く含まれています。

L-アスパラギン酸

カリウムやマグネシウムの吸収を高め、乳酸の分解も促進するため、疲労回復の作用もあります。そのほか、利尿作用や肝機能の促進、老廃物処理促進効果も期待できるとされます。豆類やサトウキビ、アスパラガス、ラッキョウ、まぐろ、うなぎなどの食品に多いです。

L-アラニン

エネルギー源として利用されやすく、糖質代謝や肝機能のサポート、免疫力向上において重要な働きを担う非必須アミノ酸です。シジミ、ホタテ、イカなどの食品に多く含まれています。

L-アルギニン

成長において重要な働きをし、血管機能や性機能の改善・正常化や、免疫力の向上、食欲抑制効果が期待できる非必須アミノ酸です。子牛の肉や鶏肉、牛乳、えび、大豆、ナッツ類、ごま、レーズン、玄米、チョコレート、オートミールなどの食品に多く含まれます。

グリシン

最古のアミノ酸と呼ばれ、眠りを深くすることによる快眠効果や美肌効果、血中コレステロール値の低下作用などがある非必須アミノ酸です。ホタテやえび、カニ、イカ、カジキマグロなどの魚介類に多く含まれています。

L-グルタミン

筋肉内に多く存在して筋肉のタンパク質合成にかかわり、疲労回復や筋肉強化の他、胃腸粘膜の保護や免疫力向上の作用もある非必須アミノ酸です。豚肉やレバー、肉、小麦粉、海藻、大豆、サトウキビ、魚、卵、チーズ、トマト、ほうれん草などに含まれています。

L-グルタミン酸

うまみ成分として知られる非必須アミノ酸で、疲労回復やアルコール依存症の抑制、EDの改善、統合失調症または認知症の治療・改善効果が期待できます。海藻をはじめ、大豆や落花生、アーモンドやごまなどナッツ類に多く含まれています。

L-システイン

活性酸素の排除や傷の治癒促進、X線や放射能からの防御の他、シミの原因となるメラニンの生成を抑える機能があることで知られる非必須アミノ酸です。魚や大豆、赤唐辛子、ニンニク、タマネギ、ブロッコリー、芽キャベツ、オーツ麦、小麦胚芽などに多く含まれています。

L-セリン

肌の保湿成分の原料となる非必須アミノ酸で、保湿効果や脳細胞の活性化、記憶力の向上作用が期待できます。L-セリンを多く含む食品としては、大豆や高野豆腐、小麦粉、鰹節、いくら、牛乳などが挙げられます。

L-チロシン

アドレナリンなどの神経伝達物質を生成する作用があり、ストレス軽減や記憶力の向上、脳の清浄活動促進効果がある非必須アミノ酸です。チーズやたらこ、大豆、鰹節、たけのこなどに多く含まれています。

L-プロリン

コラーゲンを生成・修復作用のある非必須アミノ酸で、全身の減量やコラーゲン合成を促進する効果があります。小麦粉や牛乳、大豆のほか、ゼラチンを多く含むゼリーやマシュマロにも含まれている成分です。

アミノ酸はたくさん摂っても大丈夫?

アミノ酸をたくさん摂取しても、余分なものは尿素となって尿と一緒に体外に排出されるだけでなく、腎臓に過剰な負荷がかかる原因となります。このため、一度に、または短期間でアミノ酸を過剰摂取するのは、控えた方が良いでしょう。

アミノ酸は継続的に、また偏りなく幅広くいろいろな食品・栄養素と摂取することで、吸収率が良くなるとされています。効率的にアミノ酸を摂取したいときは、以下のコツに留意して食事してみましょう。

  • ビタミンB、C、Eを含む食品と一緒に摂取する
  • スポーツをする30分前、スポーツの直後、就寝前のいずれかのタイミングで摂取する

おわりに:非必須アミノ酸は体内で合成できますが、まったく摂らなくていいわけではありません

20種類あるアミノ酸のうち「非必須アミノ酸」とは、栄養学的に体内で合成が可能とされる11種類のアミノ酸のことです。ただし、食事から摂る必要がないわけではなく、種類によっては体内での合成だけでは不十分で、食事からの摂取が必要になる非必須アミノ酸もあります。一度に多量に摂取すると、過剰摂取で腎臓に負担がかかる可能性もあるので、本記事を参考に、コツを抑えて継続的に日必須アミノ酸を摂取するようにしてください。

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