記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/8/5
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
嬉しいときや興奮したときに分泌されるドーパミン。感情や感覚と深い関係があるように思えますが、人体への影響はそれだけではありません。この記事では、ドーパミンが不足または過剰になった場合に起こりうる症状やドーパミン分泌と食品の関係などについて紹介します。
ドーパミンとは神経伝達物質で、生体内アミンであるカテコラミンのひとつです。体内でドーパという物質がつくられ、ドーパからドーパミンが合成されます。ドーパミンは、ノルアドレナリンやアドレナリンが合成される前段階の物質でもあります。交感神経節後線維や副腎皮質にはノルエピネフリンやエピネフリンというホルモンが含まれていて、ドーパミンも同じように存在しています。ドーパミンは「生きる意欲」をつくるホルモンとも呼ばれており、次のような感覚が発生したときに多量に分泌されます。
ドーパミンは感覚や感情との結びつきが深い物質ですが、運動機能とも関連があります。パーキンソン病を発症した場合、ドーパミン分泌が減少して運動機能に障害を及ぼすことがあります。ドーパミンは脳内で働く神経伝達物質であり、脳内でホルモンなどの分泌不足が発生すると、全身に何らかの影響を及ぼすためです。ドーパミンを増やす食物を摂取したからといってパーキンソン病になるわけではありませんので、ご安心ください。
ドーパミン分泌が増えすぎて脳神経に影響を及ぼし、統合失調症を発症することがあります。生まれつきドーパミン分泌が大量であることが原因で、時間を経て脳神経に影響を与えてしまうと考えられています。ストレスや家庭環境などの外部の影響が原因ではないとされます。
ドーパミンは、多すぎても少なすぎても病気や不調を引き起こします。症状によっては医療機関の受診が必要ですが、食生活の改善である程度の分泌量調整を目指すことはできます。
分泌量を増やしたいか減らしたいかによって、摂取する食品は異なります。症状に応じて食生活を見直してみましょう。
ドーパミンはポジティブな感覚と深い関係を持つ神経伝達物質で、生きる上で大切な働きを持ちます。大人だけでなく、成長期である思春期にも大切になってくる神経伝達物質です。適正な量の分泌を保つために、異常を感じたらすぐに医療機関を受診してください。普段の食生活で調整することで、悪化を防ぐようにするとさらに効果的です。