記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/7/3
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
βカロテンは、体内でビタミンAに変換されて体にさまざまな影響を与えているプロビタミンAの一種です。そこで今回は、βカロテンの効果や摂取の目安量などをご紹介します。
βカロテンは、ビタミンAに変換されて作用する栄養素です。体を老化させるなどのはたらきをもつ活性酸素から守る抗酸化作用や、免疫力を向上させる働き、皮膚や粘膜の健康を助けたり、光刺激反応に関わるロドプシンと呼ばれる物質の合成に関わる働きなどがあります。
また、βカロテンが豊富な野菜などを食べることで、がんや心疾患などのリスクを抑えることにつながると考えられています。βカロテンが不足すると、風邪にかかりやすくなる、口内炎ができる、またドライアイや脱毛などが引き起こされることがあります。
βカロテンは、にんじんやかぼちゃ、ピーマンなどの緑黄色野菜をはじめ、すいかや柑橘類などの果物にも豊富に含まれています。また、βカロテンは調理方法によっても体への吸収率が異なることが知られています。βカロテンは油に溶けやすい性質があるため、油で炒めることにより、より体へ吸収されやすくなるといわれています。
ビタミンAは「レチノイド」とも呼ばれ、レチノール、レチノイン酸、レチナールに分けられます。βカロテンはビタミンAになる前のプロビタミンAの一種で、約50種類以上が知られています。このようにβカロテンは数あるプロビタミンAの中のひとつであるため、βカロテンのみの必要量は明らかになっていないのが現状です。
ただし、日本人は体に摂取するビタミンAのほとんどを緑黄色野菜から摂っているといわれています。厚生労働省によると、緑黄色野菜を1日120g摂ることが適切だという報告もあります。過剰摂取による体への影響はあまりないとされていますが、サプリメントから大量にβカロテンを摂取した場合は有害、または効き目がないなどの報告があるため、注意して摂取しましょう。
緑黄色野菜や果物などは、βカロテンが豊富に含まれています。またβカロテンは油との相性が良いため、調理法にも工夫して効率よくβカロテンを摂取しましょう。