不飽和脂肪酸のオメガ3、オメガ6、オメガ9の特徴は?

2019/7/27

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2種類があります。このうち、この記事でご紹介する不飽和脂肪酸にはオメガ3、オメガ6、オメガ9といった種類があります。この記事では、それぞれの不飽和脂肪酸の働きや、どのような油に含まれている成分なのかを解説します。

不飽和脂肪酸にはいくつか種類ある!

体を構成する脂肪は、その大部分を脂肪酸から構成しています。脂肪酸を大きくわけると、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2種類になります。飽和脂肪酸は、多くは肉やバターなど動物由来の油に含まれています。常温では固まるものが多く、人間の体内でも作られています。これに対し、不飽和脂肪酸は植物や魚の脂に含まれている脂肪酸で、常温では液体になるものが多くあります。

不飽和脂肪酸は、化学的な構造の違いからいくつかに分類できます。

脂肪酸は、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)が鎖のようにつながった構造をしています。元素同士がつながるときには一重だけではなく、二重で結合することがあります。脂肪酸の構造の中に、炭素二重結合がないものを飽和脂肪酸、炭素二重結合がひとつだけのものを一価不飽和脂肪酸、複数あるものを多価不飽和脂肪酸といいます。一価不飽和脂肪酸は体内で作り出せますが、多価不飽和脂肪酸は体内で作り出せないため、何らかの食品から摂ることが必要です。

近年は、不飽和脂肪酸のことをω(オメガ)やnを用いた名称で呼ぶようになり、一価不飽和脂肪酸としてオメガ9(n-9)系、多価不飽和脂肪酸としてオメガ3系(n-3)とオメガ6系(n-6)が注目されています。

オメガ9系不飽和脂肪酸の特徴は?

オメガ9系不飽和脂肪酸は一価不飽和脂肪酸のひとつで、代表的なものにオレイン酸があります。オメガ9系不飽和脂肪酸は、血液中の悪玉コレステロール濃度を下げ、血管の柔軟性が失われる動脈硬化のリスクを低下させる働きがあると言われています。オメガ3系、オメガ6系を含む不飽和脂肪酸に比べて熱に強く、加熱調理に使っても問題がありません。

オレイン酸は、オリーブオイルに豊富に含まれています。そのほか、オレイン酸が多く含まれるように品種改良されたべに花油やなたね油もあります。

オメガ3系不飽和脂肪酸の特徴は?

オメガ3系脂肪酸は、α(アルファ)−リノレン酸を代表とする脂肪酸です。人間の体内で作ることができないため、食品から取り入れる必要があります。このため、「必須脂肪酸」と呼ばれています。

α−リノレン酸は体内で代謝されて、同じくオメガ系不飽和脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)となります。EPAやDHAは青魚に豊富に含まれている脂肪酸で、EPAは悪玉コレステロールを減少させ、DHAは高脂血症や高血圧の予防につながります。また、アレルギーを予防する働きがある、とも言われています。

α-リノレン酸は、えごま油や亜麻仁(アマニ)油、くるみなどに多く含まれます。ただし、α−リノレン酸は熱に弱いため、加熱調理には向いていません。えごま油や亜麻仁油はドレッシングのように加熱しない方法で摂取しましょう。

オメガ6系不飽和脂肪酸の特徴は?

オメガ6系脂肪酸は、リノール酸に代表される脂肪酸です。オメガ3系と同様に、体内で作ることができない必須脂肪酸のため、食品から摂取する必要があります。オメガ6系不飽和脂肪酸は、コーン油や大豆油、ごま油など、日常的に用いられる油によく含まれています。

血液中の悪玉コレステロール濃度を下げると言われていますが、同時に善玉コレステロールも低下させてしまいます。適量であれば、血圧を下げたり、アレルギー症状を改善したりする働きがあるため、バランスよく食べることが必要です。

おわりに:健康のために、不飽和脂肪酸はバランスを考えて摂ろう

脂肪を構成する脂肪酸は、化学的な構造の違いから飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類されます。不飽和脂肪酸のうち、一価不飽和脂肪酸は体内で作り出すことができますが、多価不飽和脂肪酸は体内で作ることができません。近年は、オメガ3、オメガ6、オメガ9といった名称でも親しまれています。より効率良く摂るためには、調理方法やバランスを工夫して食べましょう。

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